平祐奈、難病の役に。「自分の出演作を観て泣いたのは初めて」
フレッシュでキュートな笑顔が印象的な女優の平祐奈さん(22)が、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)のヒロインに挑んだ映画『10万分の1』が公開になりました。120万部突破の人気コミックを実写化した恋愛映画です。
GENERATIONS from EXILE TRIBE の白濱亜嵐さんと平さんがW主演を務める本作。高校で剣道部に所属する人気者の蓮(白濱)と、マネージャーの莉乃(平)が付き合い始めるも、ほどなく莉乃がALSを発症し、過酷な未来に立ち向かうことに。
莉乃を演じた平さんに、本作から感じたことや、同世代への思いなどを聞きました。
日常でも杖をついて生活
――とても難しい役で、挑戦だったのでは?
平祐奈(以下、平):もともと原作が大好きで、莉乃を演じたいと思っていたので、決まってすごく嬉しかったんです。これまで私は明るい役が多くて、そのイメージが強かったので、莉乃を演じることで、幅を広げてみたいのもありました。
ただ、やはりALSという題材を扱った作品なので、そこを丁寧に、大切に描かないといけない。撮影に入る前に、実際にALSの患者の方にお話を伺ったり、ALSを扱った過去の作品を観たり、転ぶシーンが多いので、日常でも突然転んでみたり、杖をついて生活してみたりしました。
――実際の患者さんにお会いしたり、杖を使ったりしたことで、新しく感じたことはありましたか?
平:今、当たり前のようにこうやって使っている筋肉が突然、使えなくなるので、歩くペースも全く違うのだと思いました。すごく時間がかかるし、周りにも見られる。だけど、結構人は温かいんだなと感じることもあって、歩いていたら、車が通るときに、優先してくださる方がいたんです。
今だからより響く作品に
――杖をつきながら、外にも出ていたんですね。
平:はい。実際の生活をしていました。衣装合わせのあとに大学に行く日があったんですけど、そのときは杖を持っていただけなのですが、すごく心配されました。劇中でも莉乃が、「ケガをした」と嘘をつくシーンがありますが、心配されたくなかったんだろうなと、実際に体験してみることで感じました。
――出来上がった作品をご覧になっていかがでしたか?
平:自分自身の演技には反省もありますが、でも作品が本当にステキなので、感動しました。自分が出ている作品を観て泣いたのは初めてです。それから、撮影から2年経っているのですが、今のこの状況だからこそ、より感じるものがあるなと。かけがえのない人の存在とか、守りたい存在とか、大切な人に対しての思いとか、より深く感じられると思いました。