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「カフェブームの立役者」に聞く、ミーハーから流行を生み出すには

ビジネス

 今も昔もファッションや食、ビジネスなどジャンルごとにさまざまな流行り廃りが繰り返されている。そんななか話題をいち早く作り、トレンドの最先端を行く企業がトランジットジェネラルオフィスだ。

トランジット

株式会社トランジットジェネラルオフィスの代表取締役を務める中村貞裕氏

 同社の代表であり「カフェブームの立役者」や「朝食ブームの仕掛け人」といったトレンドセッターとしても知られる中村貞裕社長に、起業したきっかけやブームを仕掛けるために必要なことについて話を聞いた。

ミーハー心の原点は「父親の影響」

 ミーハーだと自らを語る中村氏。ミーハーと名前を冠した仕事本を出すくらい、圧倒的なミーハー力を兼ね備えているが、その源泉は子供時代にさかのぼるという。

父親が弁当屋を経営していて、常に流行を追っていたんです。毎度、口癖のように『なんか面白いことはないか?』と聞かれていました(笑)。当時小学生だったので、手に入る情報も、まあたかが知れています。でも、父親にそう言われ続けたことで、学校で流行っているものを常に探すようになった。これが今のミーハー心の原点だと思っています」

 しかし、何かに飛びついては熱しやすく冷めやすい性格ゆえに、すぐに飽きてしまうことが負い目に感じることもあったのだという。

「学生時代はスケボー、ギター、テニス、DJ……どれも流行に乗ろうと真っ先に手をつけては諦める、この繰り返しでした。飽きっぽいというか、何をやっても続かなかったんですよ(笑)。他方で同時期に始めた友達が、20歳を過ぎた頃にはそこそこ有名になって活躍している姿が目についた。何か1つのことを地道に続け、それなりの結果を出した友人と比べ、自分は何も身についていないと、劣等感を抱くようになりました

パーティ主催に明け暮れた大学生活

トランジット

 そんな飽きっぽい性格だが、大学時代は「根拠のない自信」もあった中村氏。特に力を入れていたのはイベント企画。パーティをたくさん主催し、一度もアルバイトせずに生計を立てていたという。

「パーティを主催していたのは、人が集まって交流したり一緒に遊んだりして楽しい場所を創るのが好きだったから。今だったら“パリピ”と言われてしまいそうですが、イベントを通じて出会った人脈が社会人になって生きたりして、『人を集める』ことが自分の長所だと感じるようになりました」

 新卒では大手百貨店・株式会社伊勢丹に入社。そこで恩師である故・藤巻幸夫氏と出会うことになる。伊勢丹のカリスマバイヤーとして知られ、業界内外から注目を集めていた藤巻氏のアシスタントに抜擢されたのは入社2年目だった。

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