“屋根なしのリアル実家”で撮影したMVが衝撃。希帆が語る幼少期のエピソード
家族7人で住んでいた“築80年の木造平家”
――屋根が一部なくなって中が丸見えになっている実家を、俯瞰で撮影したシーンもすごかったですね。
希帆:向かいの方がご厚意でお家から撮影させてくれて、すごくありがたかったです。本当にいろんな方たちのあたたかさでできた作品だなって思います。私、できあがるまでの全部の過程で感動してました。
――お気に入りのシーンは?
希帆:全部お気に入りだけど、一番ですよね。うーん……貧乏なことに対してけっこう悲観的になっていた時期があったんですけど、さっちゃんのパートではそんな私に対する思いを全部つめ込んでくれていて。
「だからやめな悲劇のヒロイン」という歌詞があるんですが、そこでガッツリ私の顔が蹴られてるんですよ。「今から顔蹴るけん~、リアクションしてね~」みたいな感じだったんで、そんなに強く蹴られると思ってなくて(笑)。すごく良いシーンになったと思います。
――あの実家は生まれたときから住んでたんですか?
希帆:そうです。ひいおじいちゃんの代から住んでるから、築80年とか。小さいころはひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん、パパ、ママ、お兄ちゃん、弟と7人で住んでました。その後、両親が離婚して私はママのほうに行ったので、あそこに住んでいたのは高3までですね。
ゴミ置き場の『りぼん』を拾って読んだ
――場所はどこなんですか?
希帆:神奈川県です。都内にアクセスもいいんですよ。最近は周りにきれいな家がたくさん建ちはじめてるし、土地(地価)が上がってると思います(笑)。
――MVのときは屋根がなかったですが、小さい頃はありましたよね?
希帆:ありました! でも……お兄ちゃんがすごく大きいんですけど、お兄ちゃんが歩くたびに床がキーキー言っていて、子供ながらに「多分、いつか床なくなるだろうな」と思ってたら、本当になくなっちゃいました。
実家に住んでいた頃は、自分がそんなに貧乏だとは思っていなかったんです。家族が仲良くて、お風呂はないけど、それなりにキッチンのシンクに丸まって入ったり、夏場は家と塀の間で水浴びしたりとか。楽しかったし、それが当たり前で育ってきちゃったんで。
小学校のとき、流行ってた服のブランドとかあるじゃないですか。もちろん買えないんですけど、流行には乗りたいので、お金持ちの女の子の家の近くのゴミ置き場で、ショップバッグを拾って再利用したりしていました。『りぼん』とかもそこから拾って読んで、知識だけ入れて、また元の場所に戻したり(笑)。