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浅香航大、コロナで変わった人生観「誰かのために仕事をしたい」

暮らし

仕上がりはすがすがしく

浅香航大

――劇中で、自死した若者の恋人に鷹野が話を聞きにいく場面があります。あのときに彼女が語った内容と、鷹野の表情がすごく残っています。

浅香:あそこは鷹野にとってポイントとなるシーンですね。鷹野は感情を表に出さない人物ですけれど、それでも何かが心の中で崩れていくのは表現したいと思いました。具体的にどういった表情にしようかとは考えていませんが、彼女からのあの言葉は強いですよね。あまりにも衝撃的なので、鷹野の気持ちをまっすぐに出した結果があの表情だったのだと思います。

――本編をご覧になっての印象は?

浅香:本作は3つのパートに分かれて展開します。寄川歌太くんの中学生のパートも、水川あさみさんが軸の夫婦のパートも素晴らしかったです。そして絵がとても美しい。撮影もカメラワークも含めて、とても工夫があるし、脚本を読んだ時点での印象よりも、抜け感があるなと。すがすがしいような仕上がりになっていると思いました。

誰かのために仕事をしたい

滑走路

――鷹野は若手官僚でしたが、浅香さん自身は役者として多くの人とかかわりを持ちながらお仕事されています。人と仕事をしていくうえで、大切にしていることを教えてください。

浅香:相手をリスペクトすることです。監督も、撮影部さんも、照明部さんも、録音部さんも、作品に携わるみなさん、プライドを持って仕事をされている人の集まりなので、どの立場も否定できない。そうですね、否定はしないようにしています。相手に常にリスペクトを。

――キャリアを重ねることによって、強くなってきた思いはありますか?

浅香:僕は役者を始めた頃は、正直何も考えていなかったんです(苦笑)。でも、応援してくださる方が増えていくのを感じたり、あと、今回のコロナ禍があって、変わった部分はあります。

――というと?

浅香:誰かのために仕事をしたいと思うようになりました。今までは、そういうことって、なんだかキレイごとのようで、だったら、あえて言わなくてもいいやと思っていたんです。でも、本当に心からそう思えるようになってきたし、やっぱりエンタメは必要だなと実感するようになりました。自分自身、だいぶ強くなったと思いますし、そろそろ人のために働いたり、誰かの活力になるために何かしたいなと、本気で言えるようになりました。

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