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高校中退から30代で役員クラスに…転職で「年収2000万円」になった人の秘訣

学び

海外スタートアップの日本法人へ転職

給与

 HP作成は未経験の佐藤さんでしたが、PC音楽を黙々と製作し、バイクのカスタマイズに熱中する性格のためか、HPものめり込んで勉強しました。DJの仲間のHPも請負い、社外でもスキルを磨いたといいます。

 バイトとして始めたHP製作の仕事ですが、向上意欲や成果を買われ、3年目には正社員になれました(年収約360万円)。しかし、仕事を続ける中で、アプリ開発などの本格的なプログミングの仕事をしてみたい、という気持ちが芽生え、転職活動をはじめます。

 24歳となった佐藤さんは、日本法人を設立したばかりの海外スタートアップが、プログラマを募集していることを求人媒体で知りました。面接を受けた結果運良く合格します。

海外スタートアップが日本法人を立ち上げる時は、とにかく人を採用するという目標があります。ですので、採用基準も緩めになることがあります。(いま考えると)この会社のサービスの内容や技術レベルはそこまで高くなく、スピード重視のビジネスだったことも影響したと思います。あとは、採用の決定権も日本の担当者一人に委ねられていて、この方と相性が良かったのが効いたのだと思います」

「炎上」で人が辞めるなかで部長職に

 2社目に転職した時点で佐藤さんの年収は360万円から450万円に上がり、念願のプログラミングの仕事に就くことができました。技術的には周りよりも劣る佐藤さんでしたが、転職後も熱心に勉強を続け、非・技術職との橋渡しなどの貢献により、次第に経営陣にも認められるようになります。

 佐藤さんが入社したこのスタートアップはBtoCのサービスを展開する会社ですが、「炎上」事件で評判が落ち込み、売上が数十パーセント下がり続けます。会社内部でも不安が広がり、プログラマも含め人員が大量に辞めていく事態に陥りました。そのようななか、「技術者とも経営陣とも話せる」という点で評価を得ていた佐藤さんは、空きができた開発部の部長職に就くように依頼されます。

「技術職の方に多いのは、技術的な問題にフォーカスしがちで、経営陣と目線が食い違うことですね。“望遠レンズの拡大倍率”とも例えられる話ですが、問題がある場所は技術の領域でも、経営陣が知りたいのは『いつできるのか、いくらかかるのか』『ユーザー数や売上への影響はどうなのか』などが知りたいので、こうした“通訳”が相対的にできていたのが評価されたのではと思います」

 会社は危機的状況でしたが、個人の観点ではチャンスと映ったため提案をすぐに引受けました。これ以降、佐藤さんは部長職として開発管理、採用、チームマネジメントなどの経験を積んでいくことになります。

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