非正規は賞与、退職金をもらえないのか。最高裁“真逆の判決”を読み解く
待遇差の理由は、会社に説明責任がある
今回の判決を踏まえて各企業の対応として、給与体系を見直して手当をなくすことや正社員や契約社員、パートアルバイトそれぞれの仕事の役割を明確にしていくことが考えられます。
そのなかでどうしても与えられている役割に対して心理的負荷が強すぎる。「これって契約社員の仕事なの?」など役割以上の仕事を求められているなど感じることがあれば、いきなり訴訟を起こすのではなく、まずは自分に与えられた役割を見直してみましょう。
パートタイム・有期雇用労働法では非正規労働者は正社員との待遇差やその理由について会社に説明を求められるようになっており、会社は説明する義務があります。
したがって、もし仕事の内容を踏まえて、「待遇差に納得できない」というような場合には会社に確認してみるようにしましょう。また判決のポイントにもなる「登用制度」も現在なかったとしても今後は設けられていくことが考えられます。仕事にあった待遇を求める観点からも積極的に登用制度に申込みチャレンジしてみるとよいでしょう。
<TEXT/特定社会保険労務士 土井裕介>