北村匠海がギャグに挑んだ「アゲ太郎」。「同世代の共演者に助けられた」
「ライバル」という意識はない
――北村さん自身は、良きライバルだと感じる相手はいますか?
北村:世代的な感覚なのかもしれませんが、僕らの世代って、いわゆる「ライバル」という感覚を持っている人は少ない気がします。ナンバーワンになるということより、「みんなでいいものを作って、日本映画を盛り上げようぜ」みたいな感覚が強いです。小栗旬さんとお話しさせていただいたとき、「みんなライバルだった。その中で一番になりたかった」と聞きましたが、僕たちはあまりそういう感覚がないなと。
――仲間という感覚?
北村:そうですね。健太郎が第42回の日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したときも嬉しかったし、みんなが頑張っている姿が、自分の力になります。お互いに切磋琢磨して作品で再会できたときに、「こっちのほうがいいんじゃないの」とか話ができるのって、すごく嬉しいし、ともに歩んでいる感覚が強いです。
「絶対、売れてやろう」と誓い合った
――伊藤さんとのDJ対決はまさに本作の見どころのひとつです。
北村:芝居してて、健太郎が横にいること自体、久々すぎて不思議でしたが、なんだかすごくエモくて。「あそこはヤバいね」と話していました。
――伊藤さんとはかつて「絶対、売れてやろう」とともに誓い合い、今回、「お互い主演がはれるようになってよかった」とお話されたそうですが、北村さんにも下積み時代があったのでしょうか。
北村:8歳の頃から芸能界にいて、オーディションを受けて落ちまくっていました。いくつも賞をいただいた『キミスイ』(『君の膵臓をたべたい』)もオーディションでしたし、『仰げば尊し』もそう。それこそずっと下積み中の下積みでした。今も別に爆発的に売れたとか、知れ渡ったとかではなくて、「8歳から積み上げてきたものの結果でしかない」という気持ちです。