「富士そば」がガチャガチャに!「巨大な海老天」にはワケがある
多彩なコラボ商品で頭角を現す
企画・開発を手掛けたのが株式会社J.ドリームだ。もともとアミューズメント施設向けのぬいぐるみやアクセサリーなどを開発していたが、2015年にカプセルトイ事業へ参入。低単価の自社オリジナル製品と豊富なコラボ商品の二本柱で、競争力をつけていった。
有名洋菓子店、ご当地製パン業者、照明メーカーなどコラボした企業は数知れない。なかでも根強いファンに支持されているのが「TOFFY ミニチュアフィギュア」シリーズ。国内家電メーカー・ラドンナのキッチン雑貨をフィギュアにしたもので、2019年の初登場からシリーズは第四弾を数える。J.ドリーム営業部の小松薫憲氏は人気の理由をこう話す。
「造形や素材の質感、色合いなど、細部にまでこだわったクオリティの高さが幅広い世代から好評をいただいています。トースターであれば扉が開閉できたり、電気ケトルなら台座が外せたり。実物に倣ったギミックは、自社オリジナルの家電フィギュアで培った技術を応用したものです」
富士そばファンが喜ぶメニューを
「TOFFY」シリーズのヒットに弾みをつけて、象印やアラジン、レコルトとのコラボもはじまった。シリーズが充実していくなかで、小松氏は「ひととおりのメーカー、商品は出揃った」と判断。次なる一手に選んだのが「名代 富士そば ますこっと」だった。
もともと食品フィギュアは、J.ドリームの得意とするジャンル。月に12、13点リリースされる商品タイトルのうち、およそ3割を食品フィギュアが占めており、テーマは「おむすび マスコット」「ザ・プリンアラモード」「おでんと中華まん」となんでもござれ。過去にはドムドムバーガーとコラボした実績もある。
「商品の企画を考えるときは、ユーザーが共感をもてるコンテンツであるかどうかを重視しています。富士そばさんは首都圏の人にとって馴染み深い味です。街中でよく見かけるから食べたことはなくても存在は知っている、というユーザーも少なくないでしょう。商品化したらきっとウケると思ったんです」
前述したように個性豊かなメニューはカプセルトイとの相性もよかった。パンフレットにインパクトのあるメニューが並べば、世間からも注目を集めやすい。ファンならずとも“ネタ”としてコレクションしたくなる人も出てくるはずだ。
「富士そばさんへフィギュア化できそうなメニューをいくつかご提案させていただき、全5種に絞りこみました。ご担当者は『ファンが喜んでくれるものを』という強い思いがあって、知る人ぞ知る『まるごとトマトそば』を加えたのもそのためです」