炎上せず好かれる企業SNSとは?ヘア化粧品メーカーの元「中の人」に聞く
「美容師のパートナー」でありたい
ひと昔前とくらべて、企業のブランディングはどのように変化しているのか。
「まず、ユーザーが取る情報の接点が複雑になったことが挙げられます。各種SNS、Webメディア、テレビ、普通に街を歩いていても、広告がデジタルサイネージに変わっていたり……。企業側の視点からすると、『どこに何を伝えればどう届くのか?』ってことがわかりにくくなっています。
だからこそブランディングで大事になってくるのは、色々な情報接点にあがってくる声に丁寧に向き合うこと。ミルボンでは『美容師のパートナー』であることを第一に置いているので、SNSであっても、取材であっても、必ず『美容師さんの~』って枕詞は入れるようにしていますね」
バズったモノが目立ちやすいが…
どのツイートに“いいね”を押すのか、リツイートをするのか、どんなリプライをするのか、そういった個々のコミュニケーションの積み重ねが、ブランドをかたちづくっていく。地道な作業で時間はかかるが、やりがいはあるそうだ。
「ブランドは1つの広告やプロモーションでできるわけではありません。SNSの影響でバズったモノが目立ちやすくはなってますが、まず大前提として真摯に顧客と向き合った商品(サービス)があること。その上で、届けたい顧客に向けた適切なコミュニケーションをしなければなりません。
どちらかが欠けてしまうと、短期的に成功しているように見えても、長く支持されるブランドにはなりません。『SNSの使い方やプロ―モーションが上手い』と褒められるより、『良い商品をきちんと伝えてますね』と言われることを今後も目指していきたいですね」
<取材・文/黒岩秀利>