炎上せず好かれる企業SNSとは?ヘア化粧品メーカーの元「中の人」に聞く
「ブランディング」って言葉を最近よく耳にするけど、具体的にどんなことを指しているのか、説明しようとすると言葉に詰まってしまう。そんな疑問に答えてくれるのが、美容室のシャンプー/ヘアカラーメーカー「ミルボン」のブランド戦略担当として活躍する竹渕祥平さん(@buchi__san)だ。
ブランディングの第一線で奮闘している竹渕さんに生々しい現場の様子を語ってもらった。
生え抜きとして多分野で活躍
まずはじめに竹渕さんの経歴について聞いた。新卒でミルボンに入社し、まず手始めとして関東圏で営業をやっていたそうだ。
「大手の美容室はもちろん、箱根の奥や、千葉の郊外とか、オーナーさんがお一人で運営されているような美容室にも伺って、ご相談を受けたりしていました。
その後、ブランド戦略やマーケティングに携わることになり、会社の公式SNSの“中の人”、オウンドメディアの立ち上げなどを担当。現在では、サロンが出店する形態のECサイト事業の立ち上げにも携わっています。
ミルボンは少し変わっていて、第二新卒はいるにしても、システムや財務経理などの専門職以外は、ほとんどがプロパー。いわゆるキャリア採用としての30~40代の方はほとんどいません。ブランド戦略や、デジタル領域にしても、本来であればその道に長けている人やプロフェッショナルの力を借りたいところですが、どちらかと言えば、みんなで協力して『自力で頑張れ』って感じで、試行錯誤しながら立ち上げてきました」
「少数だから精鋭に育つ」考え
「自力で頑張る」とはいえ、経験がないことは当然多くあるはずだが、日々どのようにインプットしているのだろうか。
「もちろん全てが内製でできるわけではないので、外部のパートナーと組むことはあります。それ以外はただもう『ひたすら学びまくる』ってことに尽きますね(笑)。
『少数精鋭』は優秀な人を少数集める意味が一般的なのですが、ミルボンでは『少数だから精鋭に育つ』って考えで、責任と権限はしっかり渡してもらえました。最初は、少しでも興味がある人を募りながら徐々に動かしていくって感じで、トライ&エラーの連続。土壌もあったわけではないので、ひたすら本を読み、セミナーを受け、“中の人”としてSNSを運用しながら、ひとつずつ知見を貯めてきましたね」