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老舗ホテルで働く新人が、24歳で「最速ソムリエ合格」できた理由

ビジネス

 接客業を志し、専門学校から京王プラザホテルに入社した久保田晃さん。彼が他の新入社員と一線を画したのは、入社すぐに「ソムリエになる」と宣言したことです。

久保田晃

京王プラザホテルでソムリエとして働く、久保田晃さん

 4年目には有言実行、24歳の若さでソムリエ試験に合格します。「日々自己研磨」と彼を奮い立たせるのは、親友でライバルの存在。ホテルマンとしての接客への思いを語ってもらいました。

自分の強みを持つために自らソムリエを選択

――京王プラザホテル入社4年目で見事にソムリエ試験に合格しましたね。試験を受けた理由は何ですか。

久保田晃(以下、久保田):飲食に従事するにあたって、自分の強みを持ちたかったためです。入社のときに「ソムリエになりたい」と上司に伝え、自らの目標にしました。

――ソムリエの試験は、かなり難しいと聞いています。条件や内容を教えてください。

久保田:2015年まで、受験者は飲食業に5年以上従事した人が対象でしたが、2016年から3年に引き下げられました。

 1次試験は筆記。ワインの品種から歴史、国別の法律、味わい方やブランドまで幅広く聞かれます。近年は日本のワインや日本酒の問題が多くなって、さらにはビール、ウィスキーなど「日本らしさ」が主流になりつつありますね。

 2次試験はテイステインング。気候風土の影響や、品種ごとに異なる味わいの説明を求められます。3次試験はデキャンタージュ。ワインの澱(おり)をお客様のグラスに入れないように注ぐなどの技能試験です。

――試験に合格するためにしたことは何ですか。

久保田:業界でも実績のあるワインスクールで学びました。ソムリエの先輩3人から、「幅広さはもちろん、細かい知識も必要なので、独学よりもワインスクールで学ぶほうが良い」とすすめられたからです。さらにハウスワインを購入する、ワインバーに通うなど、約80種のティスティングをしました。

 社内研修で山梨県の勝沼ワイナリーへ出向いて勉強したり、またお店の先輩やお客様に了承を得て、注文してくださったお客様の目の前でグラスに注ぐなどの練習もしました。さらに常連のお客様に協力いただき、「よろしければ、私が」とテイスティングを積極的に申し出ましたね。

最初の研修先が京王プラザホテルだった

久保田晃

「最初の研修先が京王プラザホテルのグラスコートでした」

――そもそもなぜ京王プラザホテルに入社したのですか。

久保田:青森市の高校から、東京の東中野にある専門学校である日本ホテルスクールに進学し、最初の研修先が京王プラザホテルのスーパーブッフェ「グラスコート」でした。初アルバイトの2年間がとても楽しかったです。収容人数が200人ぐらいの規模で、サービスがとてもプロフェッショナル。接客の楽しさを知りました。

――接客の仕事は他にたくさんありますが、あえてホテルを選んだのはなぜですか。

久保田:高校時代から人を楽しませるのが大好きで、友人の誕生日にはサプライズを用意しました。自然にサービス業を目指し、やるからには接客のトップクラスと決めたときに、ホテルが一番適していると思ったんです。

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