東大卒・元TBS最年少プロデューサーがYouTube進出。辞めてわかった誤算と勝算
ノープランでTBSをやめた
――仕事をやめる時に、起業するか転職するかなど新しい道をどうするかで悩む人は多いと思います。和田さんはある程度、起業の計画がまとまった上での退職だったのでしょうか。
和田:ノープランですね。やめた時には今のようなYouTube制作会社をやる構想はなかったです。TBSをやめる時に「転職したらどうなるのだろう」と転職エージェントに登録したんですが、驚きの結果でしたね。
――驚きというのは。
和田:年収がTBS時代の3分の1くらいのところしかなかったんですよ。僕は英語が得意ではなく、それを正直に書いたということもあるかと思いますが、小さいベンチャーとかそういったところだけでした。
――それはショックですね。
和田:自分の価値はこんなものかと……。そういったこともありますが、結局、転職ではなく起業を選んだのは、やはり自分の力で勝負したいと思ったのが大きな理由ですね。
最初の5か月で収入は30万円
――実際に起業をしてみて、どうでしたか。
和田:大変でしたよ。会社を作って退職した後の最初5か月は30万円くらいしか収入がなかったです。退職金も一瞬で溶かしちゃいましたね(笑)。会社を作って社長になれば仕事が入ってくると思っていた節がありました。でも、当然ながら世の中そんなに甘くはなかったですね。
――起業してすぐは思うようにいかなかったと。
和田:そうですね。今思うと、TBS時代に自分がもらっていた給料のお金が一体どこから来るかも知りませんでした。もちろん、番組制作に集中する上でそんなことは逆に知らなくていいという面もありますが、自分で起業して社長となるとそうはいきません。
――軌道に乗って来たと感じられた瞬間はあったのでしょうか。
和田:最初のうちは大赤字でまわしていたのですが、受託させていただいていたYouTubeチャンネルを4万人から35万人に伸ばすことができたんです。テレビ業界で培ったノウハウを活かせるようになってきて、そういった成功体験が積み重なった結果、イケるなと思いましたね。