シソンヌじろう、芸人になったのは「世間の正当な判断を仰ぐため」
お笑いコンビ、シソンヌのじろうさん(42)が原作・脚本を手掛けた映画『甘いお酒でうがい』が公開中です。じろうさんが長年演じてきた熟女キャラクターの「川嶋佳子」が書いた日記として、ケータイよしもとで2012年6月より連載され、書籍化された日記小説が原作。主人公・川嶋佳子を、松雪泰子さんが演じる人間ドラマになりました。
2014年にはキングオブコントでの優勝も果たし、高い演技力によるコントで独自の世界観を作り上げているシソンヌじろうさんに、お笑い芸人になる以前からの付き合いだという川嶋佳子さんについて、そしてビンボー時代の思い出から、「日々、徳を積んでいる」というモットーまで聞きました。
自分の原作が映画になっても冷静
――本作のメガホンをとった大九明子監督とは『美人が婚活してみたら』(’18)でも脚本家として組まれていますが、あのときにはコミック原作がありました。今回はじろうさんご自身の原作の脚本化ですね。川嶋佳子さんが映画になっていかがですか?
シソンヌじろう(以下、じろう):形として残るのは単純に嬉しいです。ただ映画になったということに関しては、まあ、よしもとの映画だからというのもありますね。よしもとは映画祭をやっているので。周囲の芸人も主演とか監督とかやってますから。そこは割と冷静です。
――松雪さんが佳子さんにキャスティングされたことはいかがでしたか? 美人がいいと事前にリクエストは?
じろう:いや、逆にあまり美人じゃない人のほうがいいかなと思ってました。
よしもとの芸人なら「主演は鬼奴さん」
――よしもとの女性芸人さんとか。
じろう:それはちょっとやって欲しくないなあ(苦笑)。誰かいるかな。(椿)鬼奴さんくらい? 奴さんだったら、お酒も好きな佳子さんを、酒焼けの声でそのままでいけるかな。全然違う相当笑える映画になるでしょうけど(笑)。
――完成した映画は絶妙な温度感で、松雪さんの佳子さんがとても魅力的でした。
じろう:最初はちょっと美人すぎませんかと思いましたけどね(笑)。佳子さんは、内から滲み出るような妖艶さ、美人さみたいなものが強い人のイメージだったんです。品がある人というか。見た目もおキレイな松雪さんになったのは驚きです。そもそも佳子さんをやり始めたのは、芸人になる前のことですから感慨深いです。