テレ東「家ついて」出演の中国人モデル、都市封鎖中の武漢の様子を語る
武漢の“ダークな部分”が描かれた作品
――映画『鵞鳥湖の夜』の感想を教えてください。
LEE YOKO(以下、YOKO):『鵞鳥湖の夜』は中国での公開当時(2019年12月)からすごく話題になっていて、友だちも結構観ているようでした。観始めると、故郷である武漢の方言や、美しい雨の映像にも引き込まれてしまい、どういう題材かわからないままでしたが……(笑)、見入ってしまいました。
わたしは物語というよりも、人物の感情に吸い込まれ、街の景色、ネオンなどを観ていると別の世界のようで、懐かしいような気持ちにもなって、ディアオ・イーナン監督が作った映画の雰囲気が素晴らしかったです。観た人の間では、好き嫌いがはっきりと分かれていた印象でしたが、わたしは大好きな映画でした。
――どんなふうに話題になっていたのでしょうか?
YOKO:現代都市の武漢ではなく、少し前の美しくないダークなところを描いているからだと思います。ヤクザや貧困層などの闇の部分を描いています。この監督はもともと、あえてこういう側面を海外の映画ファンに見せていくところがあるので、そこが話題になっていました。昔の映画に詳しく、社会の現実を正直に描いているので、監督の意図がわかる映画ファンの間で、すごく注目を集めていました。
――この映画は日本の人にどう観てほしいでしょうか?
YOKO:そこはすごく気になりますね。やはり文化の違いが本当にあるので、わたしから見ると、中国の昔のダークな部分が出てきて懐かしく思う南部の景色もある。わたしはすごく好きだけれど、日本の環境にはないので、日本の人はどう思うだろうって。ただ、文化の差はあっても、空気感は伝わればいいなと思っています。
――ご自身もまた、映画に出たいですか?
YOKO:出たいです。まさに今の夢です。一時、映像に関わりたくないと思ったこともありましたが、普段の自分ではない別の面を引き出せるし、いろいろな人間として体験できるものがありますよね。それは最近の目標です。意欲は強いです。
<取材・文/トキタタカシ>