テレ東「家ついて」出演の中国人モデル、都市封鎖中の武漢の様子を語る
2020年6月、テレビ東京系列の人気バラエティー『家、ついて行ってイイですか?(明け方)』での密着が放送された中国人モデル・LEE YOKOさんは、1月に新型コロナウイルスの影響で封鎖になった中国・武漢にいた一人だ。
中国の大学を卒業後、東京芸術大学に留学生として来日したLEE YOKOさんは、日本での芸能活動に勤しみ、女優として「東京国際映画祭」のレッドカーペットを歩いたこともある。ところが、春節の休暇として武漢の実家に戻った直後、封鎖により人生が一変した。
今回、その武漢でロケしたという中国・フランス合作映画『鵞鳥湖の夜』(9月25日全国公開)の宣伝に協力することになったLEE YOKOさんに、仕事への想いや自身の運命についても語ってもらった。
「家ついて」出演には感謝している
――『家、ついて行ってイイですか?』をきっかけに、こうして映画の宣伝の仕事につながっていますよね。こういう状況についてどう受け止めていますか?
YOKO:テレビの取材は偶然でしたが、自分の物語を伝えることによって、いろいろ共感してもらいましたし、自分という存在も知られたので、わたしにとってはうれしいことでした。だから今の状況には、すごく感謝しています。お母さんともそういう話をしたばかりです。わたしは映画が好きで、今回の映画もすごく好きだから、自分が好きな映画に仕事ととして関われて本当にうれしく思っています。
――YOKOさんは日本で活動していましたが、1月にその武漢に戻ったんですよね?
YOKO:そうです。毎年旧正月には帰国しているので、旧正月の前には戻るようにしているんです。
――それで1月23日に封鎖になってしまった。
YOKO:最初は現実感がありませんでした。1月18日に武漢に帰ったとき、その時点で「武漢が封鎖になるかも」という噂は出ていました。でも、みんな「ありえない」と思っていました。23日になり、朝10時から武漢だけでなく、湖北省というもっと広い範囲で外に出られなくなるというニュースが流れました。それで家族で集まって「どうしよう」と話していたのを覚えています。
突然の都市封鎖。そのとき武漢は…
――パニックに?
YOKO:パニックというよりは「ありえない」という感じでした。誰も封鎖を受け入れていませんでしたね。やがて、自分のマンションに警備員が入り、リアリティーが出てきて、だんだん受け入れました。車も使えなくなり、外出届けがなければ出かけられなくなった。そこから76日間、マンション内で暮らすことになります。
――武漢の封鎖は4月に終わりましたが、封鎖からの約8か月間、どういう想いですごしましたか?
YOKO:昨年末にマネージャーさんとミーティングをして、今年は力を入れて頑張ろうとしていたところだったんです。日本でのモデル業は順調ではなかったので……。2週間くらい実家で休み、日本で頑張ろうと思っていた矢先に、思いがけないことが起きました。