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「4畳半の会社に4人で住んでた」29歳社長の破天荒な起業エピソード

ビジネス

設立資金と優秀な学生をゲットするが…

中島康恵さん

 一見上手くいきそうもない方法だが、最終的には設立資金として2000万円を手にし、東大生1名立教大生2名のスカウトに成功。こうして起業した中島さんだが、数年間は現在と大きく異なる事業を手掛けていたという。

「起業当時は、税理士向けのクラウド顧客管理ソフトを開発・販売していました。事業はそれ一本で、上場までいってやろうと」

 ただ、結論から言えばこの事業は鳴かず飛ばずに終わる。

「スタートアップにありがちな『需要のないモノをつくる』という間違いを犯してしまいました。私たちは『freee』や『マネーフォワード』といったクラウド会計ソフトと同じ時期に、似たような方向性のソフトを作っていたのですが、需要があったのは『クラウド顧客管理』ではなく『クラウド会計』だったんです」

業種を転換し、地道な努力で成り上がる

 クラウドソフトは全く売れず、会社の運転資金も底をつきかけていた。それでも、なんとか経営を続けるべく、生活を限界まで切り詰める。

「当時は創業メンバー4人で共に暮らし、4畳半のアパートを事務所兼住まいにしていました。一人分のスペースは畳一枚ちょっとで、もう『カイジ』の世界。食事は格安の冷凍鶏肉でしのぎましたが、全員分の暖かい布団を買えず、みんなで取り合いになりましたね

 これだけ過酷な状況に追い込まれ、将来的な稼ぎのアテも全くなかった。それでも会社を畳もうとは思わず、メンバーからも不満は出なかったそう。

「今でこそ会社は軌道に乗っていますが、一番楽しかったのはあの頃。文字通り何もなかったので、逆に夢だけを見ることができました。みんなハイになっていましたね。

 私は体育会のカルチャーで生きてきて、他のメンバーは真面目に学業に取り組んできた人たち。正直言って、『友達になりたくないタイプ』と思われていたかもしれません。ただ、お互いにないものを持っているので、ビジネスでは欠かせない存在になりました。仕事から私生活まで常に一緒だったので、本音を言い合える関係にもなっています

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