アップルで「脱インテル」加速か。Macの次期モデルを予測
CPUの性能は構造の細かさが肝
CPUのような集積回路では、その構造を細かくすればするほど、性能を高く、消費電力を少なく、原材料費を安くすることができる。ここで「構造の細かさ」を比較するために使われる用語が「プロセスルール」だ。
たとえば、画用紙に迷路を描くところをイメージしてほしい。太いクレヨンを使うと簡単な迷路しか描けないが、細い鉛筆やシャープペンを使えば、はるかに複雑な迷路を描くことができる。
この「迷路を描く線」をより細くしていこうというのが、よく話題になる「プロセスルールの微細化」である。2020年現在は「14nm」や「7nm」のプロセスルールが主流になっており、それぞれ「100万分の14mm」「100万分の7mm」に直せる。
Intelに見切りをつけたいApple
プロセスルールの微細化で先駆けているのが、台湾に本社を持つ半導体メーカーの「TSMC」だ(製造拠点は中国大陸に存在)。TSMCでは、現在よりもさらに細かい「3nm」「2nm」の製品も数年以内に実用化する目処が立ったと報じられている。
「A」シリーズなどのAppleシリコンは、設計はAppleによるものだが、製造はこのTSMCが請け負っている。Appleシリコンの高性能は、TSMCの技術力に負うところが大きいのだ。
逆にIntelは、プロセスルールの微細化でTSMCやサムスン電子(韓国)に遅れを取っている。Appleとしては、そんなIntelに見切りをつけたい意向もあるだろう。