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“ヨーロッパ最後の独裁者”に10万人が抗議デモ。世界各国で同様の動きが

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 8月9日、東欧のベラルーシで大統領選挙が実施された。選挙の結果、現職のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の勝利が発表されたが、投票中に不正があったのではないかと市民の疑念と不満が広がり、首都ミンスクでは23日、市民数万人が集まった大規模な抗議集会が行われた。

ルカシェンコ

アレクサンドル・ルカシェンコ大統領Alexander Lukashenko. © Palinchak

ヨーロッパ最後の独裁者が選挙不正?

 国営メディアは参加者が2万と発表したが、10万人以上が集結したとの報道もある。ルカシェンコ大統領はヨーロッパ最後の独裁者とも言われ、今回の選挙で第6期目を目指していた。

 低迷する国内経済や独裁的な政治に対する市民の不満は強く、市民たちはルカシェンコ大統領の即時退陣を求めているが、最近も治安当局とデモ隊の間で衝突があり、少なくとも4人が死亡したと言われる。また、捕まった市民の一部は刑務所で拷問を受けたと主張している。

 こういった政府に対する市民のデモは各国で発生している。

 卑近な例では7月中旬から、タイの首都バンコクを中心に各地で、現職のプラユット首相の退陣や憲法改正を求める市民の抗議デモが頻繁に行われている。タイでは王室への批判は不敬罪となるが、その王室の改革を求める声も上がっており、治安当局も不適切な言動を今後も続けるなら集会の強制排除や主催者の逮捕も辞さないと警告した。

 暴力的な衝突に発展する恐れもある。タイにはバンコクを中心に日本人が7万人ほど在留しているが、このような抗議デモに巻き込まれることも懸念される。実際、ベラルーシでは日本人1人が拘束されたとのニュースが流れた。

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