宇宙誕生の秘密。ビッグバンのおかげで人類は誕生した?
宇宙が膨張しているのはビッグバンのせい
――ハッブルさん、すごい方ですね……。その方がどうやって「宇宙の膨張」を発見したんでしょうか?
本間:銀河の観察をしている最中に、なぜか遠くにある銀河ほど、地球から速く遠ざかっていくことを不思議に思ったのです。そこで、思い当たったのが、「宇宙は膨張しているのだ!」という結論でした。この大発見により、宇宙への理解は飛躍的に進んでいきます。
今も宇宙が広がっている理由をすごくシンプルにいうと、まずはビッグバンの威力がすさまじかったから。最初に火の玉が爆発した勢いで今も宇宙は広がっているのです。
宇宙が膨張をやめたら「ひとつの点」になる
――もし宇宙が膨張をやめてしまったらどうなるのでしょうか?
本間:人類は生まれていなかったかもしれません。この世にあるすべての物体には、「引力」というモノとモノを引っ張る力が働いています。今は宇宙が「広がろう!」とする力のほうが強いので、宇宙は膨張していますが、もし膨張をやめたら、宇宙にあるいろんな物質がお互いを引き寄せ合って、どんどん潰れていき、やがてひとつの点になってしまうと考えられています。
もしも宇宙の「広がる力」が弱くて、収縮してしまったら、地球は今の形では存在できず、人類は生まれていなかったでしょう。我々はビッグバンのおかげで、いまこうしていられるのかもしれません。
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ちなみに、本間氏の著書『ブラックホールってすごいやつ』では、今回、教えてもらったような、宇宙にまつわるトリビアがふんだんに紹介されています。せせこましい日常のなかで、たまには宇宙に思いを馳せるのも、楽しいのではないでしょうか。
<取材・文/bizSPA!取材班 イラスト/吉田戦車>
【吉田戦車】
漫画家。1963年、国立天文台水沢VLBI観測所のある岩手県水沢市(現奥州市)生まれ。1985年、デビュー。代表作は、『伝染るんです。』『ぷりぷり県』(ともに小学館)など。『ビックコミックオリジナル』(小学館)連載中の『出かけ親』にて、国立天文台水沢VLBI観測所を自身が訪問したエピソードを紹介