誰でも100万円稼げる?普通の人がダマされる「情報商材」の巧妙な罠
ダマされている人を救うには?
――ほかにも、なにか被害に遭わないためのコツなどはありますか?
SEOくん:とにかくオイシイ話を疑う癖はつけたほうがいいですね。今はGoogleで大半の情報は調べられますから、安易に信じるのではなくまず疑って調べるべき。
ただ、例えばAmazonにサクラレビューが多数あるように、ネットの情報も常に頼りになるわけではありません。ネットだけでなく、実際に足を動かしていろいろな人の話を聞くのも大切です。人の話を聞くという点で言うと、身近な家族や友人に商材の話をしてみるのも有効。おそらく大半の場合は当然のごとく反対されると思いますが、異なる視点から出される多くの意見に触れたほうがいいです。
ネットビジネスの世界だと、身近で反対する人たちを「将来の邪魔になるドリームキラーだ」と糾弾する傾向にあります。が、少なくとも情報商材屋よりは自分のことを真剣に考えてくれる人たち。彼らを自分なりの論理で説得できないようなら、購入は見送るべきですね。
不況だと「弱者」も「ハイエナ」も増える
――コロナショックで日本社会が不況になっていくと予想されますが、関連して悪質ネットビジネスの世界はどう変わっていくと思われますか?
SEOくん:商材屋は弱っている人間を狙うので、精神的・経済的に追い詰められていく人が増えれば、商材の数も増えていくと思います。彼らは「ハイエナ」のようなものなので、弱みを見せれば容赦なく襲い掛かってくるでしょう。
また、最近の若者は「稼ぎたい」よりも「有名になりたい」という気持ちが強いように感じるので、TikTokやインスタなどで「インフルエンサーになりませんか?」というような勧誘がより増えていくのではないでしょうか。
――今後は社会不安からネットビジネスに興味をもつ人も増えてくると思います。高額な情報商材を買わずとも、スキルやノウハウを得る方法を教えてください。
SEOくん:ネットビジネス初心者のうちは、お金を使うのではなく、時間を使って地道に情報を集めていくべきです。その中で、私は「読書」をオススメしています。本は安価ですし、多くの人の評価を経て世に送り出されているもの。買わないと中身がわからない情報商材に対して、本なら買う前に多少中身も確認できますから。
あと、すでに稼げているインフルエンサーの商材を購入するのではなく、「彼らのやり方をじっくり見てみる」のもいいと思います。まずは、成功している人の手法を見よう見まねで再現してみる。そして、その手法の中から自分の本業や専門分野に生かせそうなエッセンスを拾い上げていくと、効率よく学習ができるのではないでしょうか。
<取材・文/齊藤颯人>
【SEOくん】
学生時代に友人が30万円の詐欺ネットビジネスに騙されたことをきっかけに、ネット上の副業やビジネス情報、悪質なサロンやnoteに関する情報発信を始める。現在はクラウドファンディングの支援を得て、個人で正しく稼ぐためのサイト「せおくん」を運営中