コロナ禍で増える「Twitter就活」需要。賛否両論だが学生にはメリット
企業は、Twitter就活で差別化を図る
――採用側にとって、Twitterを使うメリットは何でしょうか?
ただの元人事:企業が、独自の影響力を発揮する良いチャンスだと思っています。たとえば「リクナビ」「マイナビ」とか大手就活サイトのイベントでは、どうしても横並びになってしまうので、なかなか他社との差別化を図るのが難しくなっています。
その反面、Twitterは独立性を保ちながら、他に埋もれることなく自分たちが輝ける手段になり得ます。社長自身がインフルエンサーになって数万人のフォロワーがいれば、DMからインターンや説明会に繋がることもあります。企業としては、学生に知ってもらうきっかけや、ファンづくりの手段として、Twitterは非常に有効な手段だと思います。逆に言うと、今どきSNSで学生を集客しない会社は古いかなって思っちゃいますね。
「根拠のない情報」には注意
――Twitter上に、就活の情報をアカウントはたくさんありますが、どのようなアカウントをフォローすれば良いでしょうか?
ただの元人事:基本的に、匿名のものは信じないほうがいいですよ。いろいろな情報が蔓延していますが、「根拠のない情報」は信じてほしくない。その人が何者なのかという根拠に加えて、この情報を活用すれば、受かる確率が上がるっていう根拠がほとんどないアカウントが多いんですよ。なかには数万円もする高額な情報商材を売りつけるアカウントもいます。
最初はもちろん見分けがつかないと思いますが、一度フォローしてみて、取捨選択すればいいのではないでしょうか。個人的には、情報開示ができないアカウントは「すべて詐欺だ」って割りきっていいと思いますが(笑)。
――そのなかで、「ただの元人事」アカウントは、なぜ匿名でやっているんでしょうか?
ただの元人事:正直、ノリで始めたのですが、こんなに伸びると思っていなかったので(笑)。アカウントに怪しさがある分、勉強会を定期的に開催して、しっかり情報は開示しています。
「三井住友銀行で採用をやっていた」経験はもちろん、昔の給与明細も公開することも。私は、就活で受かる確率を上げるための情報を日々発信していますが、実際に「面接官として採用に携わっていた経験」が1つ目の根拠。どんな学生を採用して、どんな学生を落とすか、いわゆる理由の解説ができます。
もうひとつの根拠は、「採用の設計をやっていた経験」です。評価の仕組みなどをゼロから構築した経験があるので、面接官の質問項目への対策もできます。ゴールに向かって、どうやってアプローチしたら良いか、わかりやすく学生に還元しているのが、私の価値かなと思っています。