コロナ禍で増える「Twitter就活」需要。賛否両論だが学生にはメリット
コロナ禍の影響で、就職活動にオンラインでの流れが加速したことで、「Twitter就活」「SNS就活」という言葉に注目が集まっている。就活における情報取集だけでなく、新たなアプローチの方法として、学生や企業にとって、メリットも大きい。
一方で不安を煽って高額な情報商材を売りつけるアカウントも少なくない。そんななか、2019年11月にTwitterアカウントを開設し、時代の流れにうまく乗って、わずか8か月で3.2万人のフォロワーを獲得したのが、キャリア系インフルエンサー「ただの元人事@裏垢」(@aya_jinnji)だ。
実は「中の人」は大学卒業後、大手メガバンクに就職し、現在は人材コンサルの会社を立ち上げた起業家でもある。自身の経験も踏まえながら、Twitter就活の功罪について語ってもらった。
Twitter就活の2つのメリット
――Twitter就活のメリットはどんなことがありますでしょうか。
ただの元人事:学生側のメリットは2つあると思います。1つ目は、選択次第で、無料で良質な情報を得られること。インターネットが発達してきて、就活の情報はいくらでも無料で手に入る時代になりました。もちろんその分、うさん臭いビジネスの話や、役に立たないような情報もたくさんあります。
情報って、集めれば集めるほど溺れることがありますが、逆に、一度情報をたくさん集めてみないと良い情報って比較できないんですよね。だから無料の就活の情報も、1つの話を信じるのではなく、たくさん数を集めてみて、自分に必要な情報を取捨選択するといいと思います。たくさん触れることで、情報を見極める力が身につきますね。
――なるほど。今後、仕事をするうえでも大事な要素ですね。
ただの元人事:そうですね。社会人になって仕事をするうえでの、予行練習にするといいと思います。2つ目のメリットが、Twitterから企業の情報を得たり、OB・OG訪問など、企業へのアプローチの手段になり得ることです。個人情報が厳しくなって、OB・OG訪問って簡単にはできなくなっているのですが、行きたい企業のOB・OGをTwitterで探してDMを送れば、反応をくれる人もいるかもしれません。
社長がTwitterを使って情報発信している会社もたくさんあるので、学生がTwitter上で社長の人柄とかをみて、その会社に興味を持つきっかけにもなるでしょう。知らない会社を知ったり、行きたい会社に直接アプローチできることは、学生に取って大きなメリットだと思います。
Twitter就活で広がる可能性
――Twitteは匿名性がより強いSNSですが、どこまで自分をアピールをしていけば良いでしょうか?
ただの元人事:アカウントは、本名は伏せて匿名でも良いと思います。その後、DMのやり取りになったときに、社会人側も、学生側もトラブルが起こらないように、しっかり自分の情報を開示をして、お互いの背景を理解したうえでアプローチするといいでしょう。
もちろん、ネットで出会うことのリスクは内包しているので、自分の身を守ることを念頭に置いたうえで、交流をするべきです。今までチャンスがなかった人にも、チャンスが生まれる手段にもなり得るので、使い方によってはものすごく可能性が広がります。