中国が「尖閣諸島」に侵入してやりたい放題。新型コロナが背景に
在沖米軍にも感染が拡大し…
そして、新型コロナウイルスはアメリカに最も被害を与え、感染者が全米で300万人を超え、さらには沖縄県に在留する米軍内にも感染が拡大し、今後の活動に影響が出ることも懸念されている。
在日米軍司令部が7月20日までに発表した沖縄5基地でのコロナ陽性者数は130人を超えている。実際、中国の東シナ海での活動で最も障害になるのは在沖米軍の存在。彼らのの日常活動に大きな支障が出るならば、中国がその政治的隙を突く行動を試すことは想像に難くない。
また、中国は11月の米大統領選の行方を注視している。これまでのところ、民主党のジョー・バイデン候補が現職のドナルド・トランプ大統領を支持率でリードする展開となっている。
新型コロナウイルスの影響で国内経済は大きな打撃を受け、秋までどれだけ経済が回復するか分からないが、トランプ大統領は4年間の功績をアピールしにくい状況だ。
コロナは安全保障にも大きな影響を
しかし新型コロナウイルスの影響で、両者とも十分な選挙戦ができない状況において、盛り上がりという意味では今回は異例の展開が続く。ここ最近では人種間を巡るデモや暴動が各地で発生するなど今でも緊張が続いている。
いずれにせよ今の中国に映るのは、コロナ禍で混乱状態にある米国の姿だ。「感染拡大によって米国経済は大打撃を受け、大統領選も順調に進まず、人種間を巡ってまるで混乱状態にある、今がチャンスだ」などと解釈していることだろう。
新型コロナウイルスは日本国内でも感染者が増え続けているが、その影響は医学、衛生的な面だけではない。国家の根幹である安全保障にも大きな影響を与えようとしている。
<TEXT/国際政治学者 イエール佐藤>
12