中国が「尖閣諸島」に侵入してやりたい放題。新型コロナが背景に
中国が尖閣諸島周辺海域での日本漁船の操業は領海侵犯に当たるとして、7月初めに日本政府に対して同海域に立ち入らないよう要求していたことが明らかになった。中国は長年に渡り、尖閣諸島の領有権を主張しているが「自分たちの海域だから出ていけ!」と要求することは異例で、これまでから一歩踏み込んだ主張をしたことになる。
尖閣諸島周辺で中国の動きが活発化
尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では、中国海警の船舶による航行が毎日のように目撃されている。7月20日(執筆時)にも同船舶4隻の航行が確認され、2012年の日本による尖閣国有化宣言以降、1年間で船舶が目撃される日数は最多を記録し続けている。
また、7月9日から10日にかけては、日本の最南端沖ノ鳥島付近のEEZ(排他的経済水域)で、中国の海洋調査船が海中にワイヤーのようなものを下ろし、海洋調査を行っている様子を海上保安庁の巡視船が発見した。
これについて日本政府は事前に許可を出しておらず、外務省は中国大使館に抗議した。7月18日の時点でも同様の行為があったとされ、中国の海洋調査船の同海域での航行は10日連続、調査は3日連続になっているという。
世界中で巻き起こる混乱の渦
中国は沖ノ鳥島を「島」と認めず「岩」であると主張し、国際法上認められるEEZはそもそも存在しないという立場をとる。
一方、7月11日、河野太郎防衛大臣は日本最東端の南鳥島を訪問した。防衛大臣が同島を訪問するのは2014年の小野寺五典元大臣以来で、日本政府内でも小笠原周辺海域への懸念は強まっているはずだ。
なぜ、最近になって緊張が走っているのか。やはりコロナで生じた国際的な混乱が影響している。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、香港に国家安全維持法を6月30日夜に強行したことを巡って、アメリカやオーストラリアなどとも亀裂が入り、中国・インド国境での衝突では45年ぶりに死者が出る事態となった。