ドSなパワハラ上司に怯える毎日に…部下がしかけた復讐ビデオ会議
上司のITオンチぶりが仇となり…
「例のごとく、上司は自分たちを罵倒しはじめました。パソコンにエクセルの画面を大写しにして、数字を例に出して『対面で営業したのかよ?』とか『どこでサボってたんだよ?』となじられました」
いつもなら胃に針を刺されたような思いになる宮内さんでしたが、この時ばかりは喜んだのだとか。
「エクセルの表を閉じて、メンバーが並ぶ画面が出た時の顔は本当に見ものでしたよ。いつの間にか会議に参加していた専務が、不敵な笑みを浮かべていたんですから。さっきまでのトーンと打って変わって、パワハラ上司は猫撫で声で『あれ?』とか『どうしたんですか?』とか言い出して大慌ての様子でした」
ITオンチの上司は、ビデオ会議の設定などは全て宮内さん任せでした。それを逆手に取り、宮内さんは会議の途中からこっそりと専務にも参加してもらい、パワハラの現場を見せることにしたのです。
パワハラ上司にくだされた会社の処分は…
「その時点で課の会議は終了して、専務が上司を断罪する会議がスタートしました。自分たちは退出したので内容はわかりませんが、相当詰められたみたいです。終わってすぐに自分たちに謝ってきましたから」
その後、上司にはある処遇が待っていました。
「社内での規定違反が次々に明らかになって、人事部付けの部署に送られました。そこで会社が社会貢献のために取り扱っている売れない商品のみを扱う仕事を細々としています。いわゆる窓際族ですね」
宮内さん達は、温厚な上司のもとに移動になり、今は伸び伸びと仕事できているそうです。
― 特集 やらかしリモート事件簿 ―
<TEXT/和泉太郎 イラスト/田山佳澄>