ウエルシア薬局、弁当まで買える“コンビニ化”で好調。バイトや社員の声は?
食品が主力になりつつある
続いて「品目別売上推移」を確認します。以前取り上げた競合・ツルハドラッグの記事でも同様に確認しましたが、「品目別売上推移」は企業がどこに注力しているかが理解しやすいです。ツルハの場合は「化粧品注力」が方針として打ち出されていますが、ウエルシアの場合はどうでしょうか。
ウエルシアHDは品目別については「売上額」のみ公開しているため、ツルハの時と同じ分析(売上と仕入れから粗利を出して比較)ができません。ただ、特に食品の伸びが著しく、2019年・2020年2月期においては「医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品」の売上額を超えていることがわかります。
比率の推移も同様に確認します。比率という切り口で見ると、医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品は減少傾向にあり、食品は比率を維持していることがわかりました。事実、ウエルシア薬局はカップ麺やおやつ類にとどまらず、酒類・総菜・弁当も一通り買えてしまう品揃えのため、筆者もつい買いすぎてしまいます。
設備の面でもコンビニを意識
また、冒頭でお伝えした通り、淹れたてコーヒー販売をする店舗があったり、ATMやコピー機を備え、公共料金支払いに対応する店舗があったりなど、ウエルシア薬局は設備の面でもコンビニを意識しています。
ウエルシアの食品の品ぞろえを見たところで、次に具体的な品揃えを公開情報から探していきます。ただし、食品関連での実施施策の公開・共有をあまり行っていないため、各種メディアや関連企業のデータからの推定となります。
まず、ウエルシアは2014年11月にイオングループの傘下です。イオングループのPB(プライベートブランド)商品である「トップバリュ」の取り扱いもあります。ただ、面白いところは北海道のコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」の商品も扱っている点です。
ウエルシアは2017年4月にセイコーマートオリジナルワインの供給を開始し(2017/4/25、日経新聞)、同年8月にはセイコーマートのPB商品の供給を開始(2017/8/22、日経新聞)、弁当や総菜を売り出すようになりました。また、2019年7月に発売された「静岡県川根産抹茶100% 緑茶割り」はセイコーマートとの共同開発商品です(2019.07.03、日本食糧新聞)。
基本的に本稿では各企業のIRリリース準拠でまとめていますが セイコーマートの運営元のセコマは非上場企業であり、公開情報では情報が把握できません。ただし店舗に赴けばセイコーマート商品が置いてあるのはすぐ確認できます。