お菓子「ねるねるねるね」が34年のロングセラーを続ける理由
突然ながら「テーレッテレー!」と聞いたら、読者の方は何を思い浮かべるだろうか。老若男女問わず、多くの人が魔法使いのおばあさんを思い出すだろう。そう、1986年発売のロングセラー商品「ねるねるねるね」のCMで使われていた、あの効果音だ。
今年で34周年を迎える同商品だが、最近でも合成着色料や保存料を使用していないという事実がネット上で話題を集めた。今や、親子二代にわたり愛されるほどになった「ねるねるねるね」に込められた思いとは。
製造元であるクラシエフーズ株式会社の商品企画担当・宮迫雅さんに話を聞いた。
2000年ごろから天然の素材を使用
ロングセラー商品として「ねるねるねるね」が愛され続ける理由を「商品自体の認知度が一番大きな要因」と宮迫さんは話します。
「発売当時から放送していた魔法使いのおばあさんが登場するCMはもちろんのこと、年月を重ねるにつれてかつての子どもたちが保護者となり、親子で楽しめるお菓子になったことを痛感しています」
発売当初から変わっていないのは「ねっておいしいふわふわお菓子」というコンセプト。工程もそのままで、1番の粉と水を混ぜて、2番の粉をさらに加えると色が変わりふくらむという特徴も変わっていないという。
そして鮮やかな色合いのお菓子ながら、実は合成着色料や保存料が使用されていないのが驚きだ。
時代とともに保護者の意識に変化が
「発売当時の商品は合成着色料を使っていました。2007年には、知育菓子(R)全商品を天然の素材に切り替えました。その時期から、徐々に保護者から化学的な素材を懸念する声が聞かれるようになりました。
当初は、CMを見て『何だこれは?』と物珍しさで購入してくださった方々もいましたが、時代が変わり『何か分からないものを食べさせたくない』という意識が高まっていったのだと考えています」
合成着色料を使うと「発色が良くなる」という一方で、天然の素材を使うと「化学的に変化する性質をより見せやすくなる」という利点もあるそうだ。
「例えば、ぶどう味では紫キャベツを色素に使用しているのですが、『酸性になると赤くなり、アルカリ性になると青くなる』仕組みを応用しています。社外では『知育菓子教室(R)』を通して、子どもたちに商品の性質を伝える取り組みもしています」