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「キツい会社=悪いブラック企業」ではない。人事のプロが断言する訳

学び

 定時退社の推奨や有給休暇取得の義務化、さらにアフター5の飲み会離れまで。2019年から進められている働き方改革は、労働環境と職場の人間関係に変化をもたらしつつある。私たちサラリーマンにとって、良いことも多い。

ブラック 新入社員

※イメージです(以下同じ)

 だが、こうした国を挙げての画一的なホワイト企業化推進に対して、「休め、帰れ、だけでは若いビジネスマンの成長機会が減ってしまう」として、警鐘を鳴らすのは株式会社NCコンサルティング代表取締役社長で、人事コンサルタントの大橋高広氏だ

 著書『バカはブラック企業に入りなさい』(徳間書店)を刊行したばかりの同氏に、ブラック企業に行くべきだという真意を聞いた。

 大橋氏によると、タイトルの「バカ」とは、「愚直、誠実、真面目、一生懸命など、超効率化社会ではバカにされる“成長したい人”のこと」だという。

「バッドブラック企業」とは何か?

――良くも悪くもインパクト大のタイトルですが、「ブラック企業=悪」という風潮を覆す挑戦的な主張をされていますね。

大橋高広(以下、大橋):この本は頑張りたい人が思う存分頑張ることができる「働き方の多様性」について書いた本です。

 その点を踏まえると、ひと括りにブラック企業と言っても、実情がまったく異なる“2種類のブラック企業”が存在すると、私は考えています。そこで、1つを「グッドブラック企業」、もうひとつには「バッドブラック企業」という名称をつけてカテゴライズさせてもらいました。これらを一言で定義するとすれば、以下の違いが挙げられます。

【グッドブラック企業】
仕事は少々キツくても社員を一人前に育てる意志や体制のある会社。

【バッドブラック企業】
社員育成を放棄してノルマだけを課し使い捨てにする会社。

「ブラック企業=悪」とは限らない

ブラック企業

大橋:後者の「バッドブラック企業」から申し上げると、新卒や経験の浅い社員に、上司がノルマだけ与えて、一定のスキルやノウハウが必要な仕事をいきなりやらせたりする。

 こうした無理難題を押し付けるだけの企業は、社員の育成を軽視しているか、あるいは最初から育てる気がないと言えます。バッドブラック企業で間違いないですが、実は一部のホワイト企業も“その仲間”だと私は思っています。

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