コロナ自粛で精神が不調になる人が、ついやっているNG行動
新型コロナウイルスの影響で外出自粛の日々が1ケ月以上続いています。
さらに緊急事態宣言が5月末まで延長されることが発表されました。終わりの見えない不安な日々が続く中で、心身の不調に悩まされている人が増えているようです。
日々のストレスや不安、悩みを乗り越える感覚をつづった『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)の著書を持ち、これまで10年以上にわたって、のべ8000人以上のカウンセリング、ストレス研究をしてきたヒューマン・ケア科学博士、舟木彩乃さんに話を聞きました。
不安で仕方ないという相談が多数
毎日のように新型コロナのニュースを眼にするなか、「自分も感染したかもしれない、不安で仕方ない」。そのような相談が舟木さんもとには多く寄せられているそうです。
「自分だけではなく家族が感染し、重症化したらどうしよう。自分は基礎疾患があるから感染したら終わりだといった声があります。さらには夫婦間のモラハラ、DVの悪化、引きこもりの子どもの暴力の悪化といった話もあります。あるいは経済的な不安、昼夜逆転、眠れない、家に自分の居場所がないなどです」
誰もが不安になってしまう状況なのは事実。舟木さんも「不安なのは自然反応です。むしろ、この事態に全く不安を感じない方のほうが心配になります」と語ります。
「人によって感じ方や価値観が異なりますが、こうした状態が長く続くと、心や体に不調をきたす可能性があります。筑波大付属病院のサイトでは、不安の根拠について、こう書かれています」
自由を制限されて起きる「拘禁反応」
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感染の拡大は、人のこころに不安や恐怖、強い怒り、興奮、不眠など様々な気持ちを生じさせることがあります。さらに今、隔離や自宅待機などの感染対策がとられています。
感染拡大防止のためにやむを得ない面はありますが、行動の自由を制限されると、喜怒哀楽の感情が失われたり、強い不安を感じたり、周りの状況が他人事のように感じられたり、自分がいじめられ、疎外されている気持ちが生じる「拘禁反応」と呼ばれる特有の心理状態が生じることがあります。
また、親しい関係の一人が感染のため隔離されると、残された人が引き離された不安や抑うつを感じることがあります。これらの反応は決して特別なものではなく、この状況では誰にも起こり得る自然な心理反応です。特に拘禁反応は、通常は、隔離が解除されれば改善します。ただこうした状態が長く続くと、こころやからだに不調をきたす可能性があります
引用:筑波大付属病院のサイト「COVID-19に関するこころのケア」
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「サイトの最後に、不安な状態が長く続いてしまう人は『こころやからだに不調をきたす』と書いてあります。ネガティブなニュースばかり追いかけて不安な人は、依存症のような状態になっていることがあります。すると、群集心理に巻き込まれやすくなり、これが買い占めなどに繋がっていくことも考えられます」(舟木さん)