スポーツ動画配信「DAZN」に“月1750円+税で観戦し放題”の勝算を聞いてみた
「スポーツバー」を開業した訳
DAZNはTVやスマホ、PCなどがあれば、いつでもどこでも視聴できる。一方で、スポーツ界では若年層を中心とした新たなファンの創出が課題となっている。
デジタルマーケティングは、ターゲット層にはダイレクトにアプローチできるが、潜在層まではリーチできない。
そこで、DAZNはオフラインでのタッチポイントを増やすべく、渋谷に「DAZN CIRCLE(スポーツバー)」を2019年6月にオープンさせた(※新型コロナウィルス感染拡大に伴い、4月7日より当面の間、休業)。
「ライフスタイルが多様化することで、若年層はスポーツを見る習慣がなくなってきています。Jリーグが公表している観戦者調査からも、最近までは観戦者の平均年齢は毎年上がり続けていました。ファン高齢化に伴い、いかに次世代の新規ファンの獲得ができるかが課題だと思っています」
リアルで接点を持つ重要性とは
「DAZNとしても日本のスポーツ界を盛り上げていくために、まずは身近な接点を作り、きっかけを与える。『スポーツのある日常』をコンセプトに掲げているのも、海外のようにスポーツをライブやエンターテイメントと同じ“カルチャー(文化)”として捉え、もっと気軽に楽しんでほしいからです」
たしかにファンのチームのユニフォームを来て、スタジアム観戦やスポーツバーに試合を見に行くのは、それ相当の覚悟が必要で、人によっては気が引けてしまうだろう。
「ファッションや音楽、アートなど様々なカルチャーが交錯する渋谷の地だからこそ、DAZN CIRCLEをやろうと思いました。スポーツを文化として感じてもらうには、老若男女いろいろな人が行き交う渋谷の街はうってつけの場所。
休日は家族連れでふらっと訪れる光景もよく目にしますが、これが六本木のスポーツバーだとそうはいかない。気張らずにスポーツ観戦を楽しめることが大事だと思っていて、飲食持ち込み自由にしているのもそのためですね」
オフラインで提供する「顧客体験」は、松岡氏が前職のレッドブル・ジャパン株式会社にて、「様々なスポーツチームやアスリートと仕事を共にした経験が生かされている」と語る。