スポーツ動画配信「DAZN」に“月1750円+税で観戦し放題”の勝算を聞いてみた
NetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオといった動画配信サービスが、年々勢いを増している。定額の月額料金を払えば、様々なジャンルの映画やTV番組のコンテンツが見放題、かつスマホでの視聴体験も可能とあって、現代のライフスタイルにもマッチしている。
そんななかスポーツ専門の動画配信サービスを牽引するのが「DAZN(ダゾーン)」だ。月額1750円(税抜)でサッカーや野球、F1™️、テニス、バスケットボール、格闘技など130以上のコンテンツを年間で1万試合以上のライブ中継を楽しめる。
今回は、DAZNがどのような取り組みを通して、認知度拡大やスポーツ文化の醸成を行なっているのか、DAZN Japan Investment株式会社 コミュニケーション&PR部の松岡けい部長に聞いた。
「DAZN」異色の事業展開
DAZNは2016年8月に世界4か国でリリースされたサービスだ。松岡氏は「他の外資系企業とは異色の事業展開をしている」と話す。
「普通、海外発のサービスというには本国で成功した後、グローバル展開をする際に成功モデルを軸にローカライズしていくものです。しかし、DAZNの場合は2016年8月のリリース時点でドイツ、オーストリア、スイスと並び、日本も同じタイミングで日本法人が立ち上がりました。
これは、各国によってスポーツの放映権事情が異なり、国ごとにローカライズ方法を変えてビジネスを展開する必要性があるからです。その分、裁量を持たせてもらえやすく、 PRやマーケティングなど日本市場にあった形で取り組んでいます」(松岡氏、以下同)
これまで日本のスポーツ観戦といえば、スタジアムや会場に直接足を運ぶ以外には「J:COM」や「スカパー!」といった衛星放送と契約するのが主流だった。
ただ、スポーツ放映の権利元がそれぞれ異なっているため、すべてを見るため視聴者は色々な会社と契約しなくてはならなかった。
Jリーグの放映権契約を締結
DAZNは、2017年にJリーグと10年間の放映権契約を約2100億円で締結。全試合(J1、J2、J3)を生中継する取り組みが始まり、サッカーファンのみならず、スポーツファンの関心を急速に高めるきっかけとなったのだ。
「日本はスポーツのコンテンツが一番豊富と言われています。Jリーグのほか、プロ野球も広島東洋カープを除く11球団の公式戦主催の全試合をDAZNで見られるので、日本の2大スポーツであるサッカーと野球をカバーできているのは大きい。
常に念頭に置いているのは“ファンファースト”であること。いかにライフスタイルにあった、スポーツライフを届けられるか。デジタルマーケティングをやるにしても、ちゃんとストーリー性を持ってユーザーに届けられるかを重要視しています」