若者のシェアハウス離れも。コロナ禍の影響を不動産会社に聞く
シェアハウスからの転居者が増えている訳
また、意外なところでは「シェアハウスからの転居者が増えている」そうです。
「シェアハウスや友人とのルームシェアからお引越しをご希望される方は一定数いらっしゃいます。自分以外の人と密室での生活をするため、感染を恐れてという理由がほとんどです。引越しを選択するのではなく、落ち着くまで実家に戻る方もいらっしゃいます。シェアハウスではないですが、医療関係者が2世帯住宅からお引越しをご依頼頂いたケースもあります」
帰省した実家でコロナが感染する恐れがありますし、シェアハウス住人としても苦しい選択なのでしょう。吉澤さんは今後の見通しをこう語ります。
「コロナの影響でお引越し自体を延期されている方もいらっしゃいますが、中には『転職をして社宅を退去しなければならない』『更新時に家賃増額をする物件に住んでいる』などで必ず引っ越さなければならない方もいらっしゃいます。
そういった方のご依頼は時間が経つにつれて、増えてくるのではと考えております。実際に4月時点でも件数は減りましたが、引越しのご依頼をいただくことはあります。入社が遅れていた新入社員や、配属がこれから決まる新入社員のご依頼が、緊急事態宣言の解除後に一定数見込まれるのではないでしょうか」
投資用の問い合わせは変わらない
ここまで居住用の不動産について話してもらいましたが、投資用はどうでしょう。こちらも部屋を探しづらい状況が続くようですが、吉澤さんは「投資チームにも確認したところ、投資用を購入したいという方からの依頼は以前と変わらずいただいている」と言います。
「現在の地価およびマンションの価格は明らかにプチバブルであり、購入する時期としてはあまり良い時期ではないのは確かです。コロナショックにより、さらに値上がりすることは考えにくく、なるべく安い坪単価のものを買っていただけたら、将来の値下がり率が低く収まります。
そして、コロナショックにより、なんとなく『これから物件価格下がるんじゃないか。もう少し後に買ったほうが得なんじゃないか。だから今は買いは控えよう』ということを思っている方のほうが多いと思います。これが群集心理です」
この群集心理がマーケットを動かすため、実際に現場で買い控えは散見されるそうです。