志村けん「偉大なるマンネリ人間を目指せ」。社会人の背中を押す6つの金言
日本屈指のコメディアン・志村けんさんの訃報から、はや1か月。人生を笑いにかけた偉大な芸能人の死は、列島各地で多くの人たちに悲しみをもたらしました。
生前の志村さんの活躍はさまざまな形で残されていますが、著書『志村流』(三笠書房)もそのひとつ。2015年1月の発売ながら、志村さん亡きあとに「オリコン週間文庫ランキング」で100位圏外からの急上昇でトップ10入りを果たしました。
今なお語り継がれる志村さんの金言はどれも、私たち、ビジネスパーソンの背中をそっと押してくれます。そこで、出版元の許諾のもと、その一部を紹介したいと思います(※< >部分は同著より引用)。
頑張りや努力は他人にみせない
代名詞的な番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』や『志村けんのバカ殿様』など、志村さんが手がけたコントは老若男女、多くの記憶に焼き付いているはず。お茶の間を爆笑の渦に巻き込んでくれた姿は、どれも思い出深いものですが、その裏側では本番までの準備に全力投球していたといいます。
<オレは昔からそうだけど、コントを作る場合、かなりの下準備をするし、出来上がった後でも念入りに何度もチェックする。テレビを見ている人たちは、オレたちが一瞬の笑いをとるために、まさか、こんなに時間をかけて綿密に作っているなんて、想像もしていないだろう。たった、アハハハハのために、だいの大人が寝ないで考えているんだから>
人びとに笑いを届けるには「完璧な下ごしらえがあってこそ」と、持論を抱いていた志村さん。ただ、裏側にある苦労が「相手に見透かされるようじゃ、ぜ〜んぜんいけない」とも述べます。
<仕事に限らず何でもそうだけど、「おれ、頑張りました」ってところがみえてしまうようではまずい。頑張ったとか、努力したということを、ことさら強調する奴がいるけど、それって手品で、すぐさまタネあかしをしてしまうのと同じじゃないのか>
続けて「努力と完璧な準備があるからこそ、金を取れるモノになるわけなんだから」と志村さんは伝えます。影ながら努力を重ねて、しかるべき場面で結果を出すことこそが“粋”な生き方なのかもしれません。