ヤンキー新人の指導役に抜擢された若手整備士。注意したら殴りかかってきて…
態度を改める気配が一向にない
「自分たちは自らの意思でここで働いていますが、アイツの場合はそうじゃありません。半ば強引にここで働かされるハメになった。
自身の行動が招いた結果ですが、もし同じ立場だったら自分も反抗的な態度を取っていたかもしれまんせんし、そこは私も一緒に指導役を務めた同僚も同情はしていました。けど、その気持ちはどうやら伝わらなかったみたいで……」
ナオトが働き始めてから2か月半が経ったある日、増沢さんの同僚は彼に作業に必要な工具と部品を持ってくるように指示。ところが、その日はとくに機嫌が悪かったのか「自分で取ってくればいいだろ」とこれを拒否してしまいます。
それでも再度お願いをすると、今度は同僚の工具箱を蹴っ飛ばし、「なんでテメーに命令されなきゃいけねえんだよ」と言い出します。このときは結局、同僚が自分で部品を取りに行ったそうですが、休憩時間に同僚はナオトを呼び出して、反抗的な言動や態度を改めるように諭したそうです。
謝罪の言葉もないまま辞めてしまう
するとナオトは、これに対して「偉そうにすんじゃねえよ!」と殴りかかってしまったというんです。
「同僚も反撃して一方的に殴られ続けたわけじゃないですけどね。同僚は自己嫌悪に陥るほど反省し、先輩整備士たちからもこっぴどく叱られていました。ナオトにも謝っていましたが、アイツからは最後も謝罪の言葉はなく、その次の週には辞めてしまいました。
これで心を入れ替えて真面目に仕事に取り組むようになっていたら美談だったんですけど、世の中そう上手くはいかなかったようです(苦笑)」
ここまで反抗的な新入社員もなかなかいないと思いますが、彼のようなワケありな新人の教育係を若手社員に任せきりにするのは荷が重すぎる気がします。せめて上司や先輩社員がフォローするなど会社としてもきちんとバックアップしてほしいものです。
<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>