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コロナ危機で採用が急減。今は転職するべきではない?

学び

 4月7日、安倍首相により緊急事態宣言が発令されました。対象となった東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県ではサービス業を中心に営業活動が自粛され、様ざまな場所で影響が出ています(4月16日には緊急事態宣言も全国に拡大されました)。

面接

※イメージです

 採用の市場も、かなり直接的な影響を受けます。採用活動の自粛や計画そのものの見直しが行われ、求人は一気に減少します。事実、人材紹介会社である弊社にも日々「採用計画を一旦保留にする連絡」が相次いでおり、選考予定だった求職者へ中止の連絡をする事態になっています。

 今回、キャリアカウンセラーである筆者の立場からコロナ危機における若手の就職活動についてお伝えします。

転職すべきタイミングではない

 そもそも就職活動中だった方は、緊急事態宣言による面接の中止や募集の停止で、当初の就活計画から大きな変更を余儀なくされているかと思います。

 今の状況は、在職中の方にとっては、転職すべきタイミングではありません。求人が多く、求職者にとって「選択肢が多い」という意味で有利だった2019年までの売り手市場から一気に買い手市場になりました。景気が悪くなると、企業は採用活動を縮小します。

 特に若手未経験者の採用は縮小します。未経験者を採用する、ということは企業にとっては教育投資活動でもあるため、人件費にお金と時間をかけられなくなるためです。

「緊急事態」を受けて求人が減少

 実際にどれくらい求人が減ったのか、データをみてみましょう。弊社UZUZが2020年3月29日〜4月2日に行った採用担当者へのヒアリングの結果では、採用担当者に電話がつながった566件のうち57.7%の企業が「現在では採用活動を行なっていない」と回答しました(調査対象は第二新卒・既卒を中心とした若手の採用活動を行う企業です)。

アンケート

アンケートは2020年3月29日〜4月2日実施

 39%は「現在も採用を行なっている」と回答をしていますが、この調査は緊急事態宣言が発令される4月7日以前に行なっており、それ以降に方針を変えて、採用活動を中止した企業もあります。

 実際に私もこの電話調査には加わりましたが、その時点では「うちはまだ採用活動やるよ」と言っていたのに、緊急事態宣言を受けて、「やはり採用活動は中止にする」と方針を変えている企業も、肌感覚では20社程度ありました。合同説明会や対面での面接などどうしても、人と人の接触リスクが高まってしまう採用活動は慎重にならざるを得ません。

 企業側としても、当初の採用計画を見直さなければならないのは大変な決断だったでしょう。

 申し訳ないのは、求職者の方に対してです。選考を進めている企業の面接中止の連絡を私個人だけでも数十件行いました。「この状況だから、仕方ないです」と言ってくださる優しい方も多いですが、せっかく「その採用面接にチャレンジしてみよう」と思ってくれた方には、とても申し訳ない気持ちになりました。

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