博報堂から28歳で独立「1.3億円で港区高輪初のゲストハウスをオープン」
――起業するにあたって、背中も押された?
南:「MERY」の中川綾太郎君とかスマホアプリゲーム「はねろ!コイキング」の中畑虎也君とか、彼らがサービスやアプリでめちゃくちゃ大成功していて。同じ28年という時間を生きていて、こんなにも人生に差をつけられているのかと愕然としました。
僕、21歳のときに「タダコピ」を運営しているオーシャナイズという会社にインターンで働いていたのですが、そのときの社長が26歳で。当時の社長がすごく大きく見えたのに、同い年になった自分はなんて小さいんだ!って。会社からの帰り道で突然、全身が震えましたね。
――それはスゴい経験ですね。起業に対して不安や、リスクを感じましたか?
南:僕の中では、会社に居続けるほうが、リスクが大きいと考えました。仕事上、テレビの視聴率を毎日見ていましたが、毎年、全体の視聴率がどんどん落ちていくんです。
広告代理店の業績とテレビ局の視聴率は強い関係にあるので、このままだと危ないのではないか?と思った。だったら、外に飛び出して新しいチャレンジをするべきだなと。
「2020年には高輪の街が東京の玄関口になる」
――Koruを拠点に今後、何かやっていきたいことはありますか?
南:宿だけでなくて観光業もやっていきたいですね。今の場所は、駅からも遠いし、坂道もあったりして不便なアクセスですが、高輪には山手線の新駅が2020年の春に開通、2024年に街開きされます。なんと、Koruは50年ぶりの山手線の新駅から徒歩5分です。
近隣の品川駅には2027年開業のリニア中央新幹線が乗り入れる予定。そうなると、この高輪の街が東京の玄関口になるんです! 開業するにあたって物件は23区全部見て、内覧も50か所くらい見て回ったかな。そのなかで、もっとも将来性を感じたのがここ高輪だったんです。
――たしかに、このあたりにホステルは珍しいですよね。
南:浅草上野とかは競合が多すぎるので、誰もいないブルーオーシャンで戦いたかったんです。高輪「初」のゲストハウスという響きもよかった。
このあたりは関根勤さんのご実家のそばで、Koruはもともと関根さんの幼少期の思い出のうなぎ屋さん「宮川」でした。ただ、ここ数年はほぼ休業状態だったので、そこをフルリノベーションして復活させて、ホステル&カフェバーとしてオープンしました。