借金200万円の25歳が見た「人気オンラインサロンの闇」
ビジネス、政治経済、ファッションなどさまざまな専門領域について、その道のプロと出会い、やり取りすることができる会員制の有料ファンクラブ「オンラインサロン」。
優れた管理者のもと、健全に運営されているものもあるが、一部には実態のないものや、当初知らされていた学習内容やルールとかけ離れたものも存在する。以前、「bizSPA!フレッシュ」では、人気ブロガーのイケダハヤト氏と、作家のはあちゅう氏らが主催する「脱社畜サロン」(現在は解散)の元メンバーに、その衝撃的な運営実態について話を聞いた。
今回、編集部では、別のオンラインサロンで「まるで詐欺のような被害にあった」と話す男子にインタビュー。
オンラインサロンで搾取された男性
そのサロンは、イケダハヤト氏と親交の深いブロガー・しゅうへい氏が主催する「お利息サロン」というものだ。
しゅうへい氏は自らを「借金500万円背負って瀬戸内海の島から人生リスタートした」「ブログ開設10か月後に月商230万円達成」とブログで紹介。サロンの参加費用は3000円(初月のみ1500円)。SNS、ブログ、Youtubeを運営するノウハウを教えるのがウリだという。
しかし、その内情は「大きく異なっている」と語るのは、元サロンメンバーの男性で、現在はフリーエンジニア営業として活動する、てるい氏(@yutorisugi)だ。
「インフルエンサーの方たちがツイッターでの情報発信でマネタイズしているのを見て、自分もやろうと思ったんです。サロンを知ったきっかけは、イケダハヤトさん。当時は彼みたいな生活に憧れていたのです。また、大規模ではなく、少人数のサロンなら初心者でも入っていきやすいと思い、昨年(2019年)7月に参加しました」
メンバーは平均20~30人という「お利息サロン」。参加者には、しゅうへい氏と同様、借金を抱えている人も多い。理由は様々だが、てるい氏の場合は「情報商材ビジネスに手を染めていた」という。
情報商材ビジネスで借金200万円抱える
「コミュニティの参加券を売って、そのうち何割かが自分の懐に入るというビジネスをやっていました。きっかけは『こくちーず』というサイトで見つけたセミナー。そこで無形商材やセミナー・コンサルの参加券を30万~40万円で売っていたのですが、主催者側とトラブルになり、中断せざるを得なくなりました。借金の額は200万円を超えていたと思います」
このとき、てるい氏は25歳だった。まだ20代で「これからSNSで稼ごうとするしゅうへいさんの姿に感情移入してしまった」と語る。しかし、その期待はすぐに裏切られることになる。
「当初はオンライン飲み会や、お互いのSNSの運用報告などの活動もありました。しかし、運用方針が気まぐれで変わったり、何の活動もない期間が増えてきたのです。ある月にはインフルエンサービジネスを変えるといって、これまでの記事やブログを消去。『このままでは、破産してしまう』と言い、数万円をPolca(クラウドファンディング)で集めていた」
サロンに対する不信感がさらに募るきっかけとなったのが、昨年10月にしゅうへい氏発案のもと行われた「ツイッターコンサル」。当初は1か月3万円でツイッターの指導をしてもらえるという触れ込みだった。