新型コロナで街から人が消えた…EU圏の駐在員が見た現状
報道が始まり2週目から空気に変化
「最初の1週間ぐらいは、『不特定多数の人が集まる場所はさすがにまずいけど、友達と会うぶんには……』という雰囲気でしたね。ただ、それもしばらくすると、誰かが『やっぱり俺はやめとく』と言い始め、結果的に『じゃあ、みんな今回は我慢するか』となって知り合いと集まる機会もなくなりました。
同調圧力が薄いので、自分の身を守るために『家にいよう』『集まるのはやめよう』と言い出せるのは、大きいと思います。いい意味で空気が読めないというか(苦笑)」
終わりが見えないだけに、経済的にも精神的にもダメージは大きそうだが、現地の人々は思いの外、前向きだという。
「何週間も、自宅と近所の同じ景色ばかりで友達や知り合いに会えないのは正直しんどいですよ。テレビをつけてもコロナのニュースしかやっていませんし、将来的な不安もあります。ただ、早く収束させるには、何もしないのが一番だとみんなわかっているので、電話やビデオ通話で軽口を叩いたり、お互いの様子を気遣って、離れていながらも一体感がありますね」
果たして日本は同じように座して待つことができるのか。外出自粛の結果が、今後の未来を大きく左右するかもしれないことは肝に命じてほしい。
<取材・文/林 泰人>