新型コロナでも営業継続のライザップ。黒字転換なるか?
大胆な構造改革を行ったライザップ
したがって、ライザップ赤字転落の最大の要因は、ワンダーコーポレーション社における、「過年度から積み上がったリスク資産の処置費用」「不採算事業・店舗からの撤退に関連する費用」がまとめてのしかかったためだと言えそうです。
なお、ライザップがFY2019決算時に「構造改革関連費用」の内訳として提示していたのは、
・戦略的な店舗閉鎖等:40億円
・商品在庫の評価減:40億円
・のれん減損、その他:13億円
この3種類でした。ワンダーコーポレーションの損失は「商品在庫の評価減」「戦略的な店舗閉鎖等」に分類されると考えられるので、他の買収企業群でも、同様のコストカットを実行していたとみるのが妥当でしょう。今期(FY2020)については、この大胆な構造改革が功を奏したためか、第3四半期段階で黒字を達成しており、今後の動向に注目が集まります。
RIZAP業態の近況は?
一方、RIZAP関連事業(美容・ヘルスケア)については、先述の通り、全体で赤字転落したFY2019においても、セグメント売上・利益ともに黒字を維持しています。
冒頭でも記載した通り、2020年の2~3月も営業を継続できていたため、客足の変動による影響は同業他社と比べて、比較的軽微に抑えられていると考えられるでしょう。
また3月2日には「効率的な筋力トレーニングを促すたんぱく質の配合比率」について2つの大学との共同研究に参画したことを発表。ライザップは食品プロデュースにも積極的なため、今後どのような成果が発表されるのか気になるところです。