まるで中国の傀儡?コロナ危機「WHO」を巡って米中の対立が加速
過去にも中国政府の隠蔽が問題視された
その真偽は分からないが、依然として感染源が分からず(分かっていたとしても中国が発表していない可能性も)、過去にも中国政府は2011年の温州市鉄道衝突脱線事故の際、事故車両を詳しい検証も実施することなく穴の中に埋め、自らの責の葬り去った過去がある。今回の被害状況でも過小に発表されていることは想像に難くない。
これに対して、テドロス事務局長は4月8日の定例記者会見で「ウイルスとの闘いに焦点を当てるべきだ。ウイルスを政治化しないでほしい」と発言。さらに「アメリカと中国はともに、ウイルスという危険な敵に立ち向かうべきだ」と両大国が手を取り合う必要性を強調。双方譲らず、水掛け論の様相を呈している。
いずれにせよ、中国は自らの原因と責任を払拭するため、今後も責任ある大国を強くアピールしてくることだろう。すでに一帯一路の罠に深くはまっている国々は、中国の責任を追求することはできないだろうが、米国を中心にこれまでの真相究明を求める声は日に日に国際社会で強くなるのではないか。
習近平政権は、責任や非難、疑惑を消そうと躍起になるだろうが、それは決して簡単なことではない。
<TEXT/イエール佐藤>