肉ばかりでも健康に。医師が教える「簡単すぎる食事法」
肉には「脂肪」というマイナス要素も
ただし、プラスだけではありません。肉などの動物性食品には、「脂肪」がつきものだということです。
脂肪の何が問題なのか。それは、脂肪が血液中で酸化すると、血液がドロドロになってしまうからです。すると、身体のすみずみまできちんと酸素や栄養が運ばれません。老廃物も溜まりやすくなり、健康へのさまざまな悪影響が出てきます。動脈硬化のリスクも高まりますし、肥満という問題も出てくるでしょう。
自律神経の観点からいうと、腸内環境を著しく悪化させてしまうのです。ではどうするか。脂肪を血液中で酸化させにくくすればいいのです。そのためには、油脂の酸化を防ぐ「抗酸化成分」を含んだ食べ物を、肉と一緒にとればいい。
脂肪対策には野菜・果物・ナッツを
「抗酸化成分」と聞いても「?」かもしれませんが、要は、人参、ほうれん草、小松菜など緑黄色野菜に多く含まれるビタミンのβ-カロテン、野菜、果物、芋類に多く含まれるビタミンC、ナッツ、かぼちゃなどに多く含まれるビタミンE、植物に存在する苦味や色素の成分であるポリフェノール(例えば、ブルーベリーやなすに含まれるアントシアニン、そばやかんきつ類、タマネギに含まれるルチン、豆類に含まれるイソフラボンなど)をとればいいのです。
ひと言で言うなら「肉を口にする前に、野菜や果物を食べる」。これだけです。そんなに難しいことではありません。
例えばステーキには、必ず野菜の付け合わせがついてきますよね? とんかつにもキャベツの千切りや漬物。焼き肉だったら、タン塩にはレモンがつきものですし、カルビならサンチュを巻いて食べる。こうした食べ方は、野菜や果物の抗酸化成分を利用した、非常に理にかなったものなのです。
もし、焼き肉などで肉をガッツリ食べる際は、生野菜。「サラダ」を必ず注文し、まずサラダから口にすることを心がけてください。そしてデザートに果物。これさえ守っていれば、毎日のように肉を食べていても問題がありません。