スシロー、回転寿司業界で独走。新型コロナでも「回転レーン継続」
新型コロナウィルスの流行に伴って外出自粛・感染対策強化の動きが強まり、3月上旬以降、大手回転ずしチェーンのはま寿司・かっぱ寿司・元気寿司が「回転レーンでの提供」を中止しています。
そんななか、スシローは特にそれらの対応を行わずに営業を継続しています(3月9日、兵庫県丹波市の氷上店にアルバイト勤務していた30代男性が、新型コロナに感染したことが発覚し、同店は9日から臨時休業に入り、保健所の指導の下、消毒作業を行っている)。
本連載は、身近な企業を題材にして、企業の状況の調べ方・見極め方を解説します。今回は回転寿司業界首位 の「スシロー(スシロー グローバルホールディングス)」を題材にしました。スシローの特徴・強みについて、公開情報から読み解いていきます。
各社の売上高ランキングは下記の通りです。(2019年決算)
第1位 スシローグローバルHD(1990億円)
第2位 くら寿司(1361億円)
第3位 カッパ・クリエイト(761億円)
第4位 アトム(519億円)
第5位 元気寿司(420億円)
※スシロー・くら寿司は9月決算、他は3月決算
業績:主力商品の寿司のコンテンツ力に強みあり
売上・営業利益ともに直近4期は増収総益を続けており、文句なしの業績です。
また、冒頭でも記した通り、2月以降は新型コロナウィルス関連で外出自粛ムードが強まってきているなかで、2月の全店売上高は前年同月比117.8%、既存店客数前年度同月比112.8%と、いずれも前年度比プラスを実現しています(※セグメント・業態別の売上データは存在していなかったため、今回は扱っていません)。
これほどの好調を実現している理由として「寿司自体のコンテンツ力が高く、実際に美味しい」のが大きいでしょう。スシローは店舗設備で工夫しにくい分(店舗の仕組み関連の特許はくら寿司が大半を保有しています)、「寿司そのものの魅力」の維持・拡張にかなりの労力を割いていることがうかがえる事例がいくつか見つかりました。