若者よ、これが日本だ。新型コロナ「安倍政権の対応」は人災レベル <ダースレイダー>
東京大学中退という異色な経歴を持ちながら、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(42)。
この連載では現代日本で起きている政治や社会の問題に斬り込む。前回に引き続き今回も「新型コロナウイルス」について触れる。他国に遅れをとる日本政府の対応について、何が問題なのか? そして、若者はどう見るべきなのか?(※取材は2020年3月2日)
イベント自粛、臨時休校…その根拠は?
ダースレイダー:新型コロナが拡大するなかで、今度はアクションを起こさないといけないと、2月25日に「学校の臨時休校等の適切な実施に関して都道府県等から設置者等に要請(地方自治体などの判断に委ねる)」「イベントの必要性の検討の要請」などの基本方針を出しました。
方針を出すのも遅かったのですが、その2日後に安倍首相が「全国一律の臨時休校を要請する」と発表するなど、これも右往左往していて、物事を決められないというメッセージになります。
そもそも専門家会議にもかけられず、大臣レベルにすら相談しないで決定しています。議事録も存在しません。なにを根拠に決定を下したのか不明です。今度は中韓からの入国規制を始めましたが、現時点でどれだけの人が来ていたのか? もう観光客など来ていないのだから、ビジネスで訪日している人を止めてしまっているのでは? これも根拠が不明です。
「市民に一律14万円支給」香港の神対応ぶり
台湾は特別法も決め、学校の休校も春節の頃には終えていました。今後は感染者が学校に1人出たら学級閉鎖、2人以上出たら休校とし、数字と根拠と基準を全部示した施策をとっています。「全部をやめる」ということはしていません。
入国や帰国者への対応も非常に明確な基準を設けていて、その基準はデータに基づいています。さらに言うと、休校にしたり、経済活動を止めることに伴うマイナスがあることをわかった上で、それを保証する予算を用意しています。
これは香港でも同様で、景気対策として市民1人につき14万円支給することを発表しています。市民は、この人たち(香港政府)は先回りしてケアしてくれていたんだなと思えます。こういった人たちと、「なんで今この話をしているんだ」という人たちで比べたとき、どっちが安心できるかは明白です。