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人工知能の暴走を描く、入江悠監督「研究者は優しい人が多かった」

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 AI(人工知能)に全国民の個人情報を管理された近未来が舞台のサスペンス超大作『AI崩壊』。突如、暴走し始める医療AIの開発者であり、テロリストとして逃亡者となる主人公・桐生を大沢たかおさんが演じています。

AI崩壊

(C) 2019映画「AI崩壊」製作委員会

 昨今の日本映画では珍しい、オリジナル脚本で挑む大作を撮り上げたのは、『SR サイタマノラッパー』(’09)で頭角を現し、『22年目の告白-私が殺人犯です-』などのヒット作を放ってきた入江悠監督(40)

 本作製作にあたり、人工知能学会へ入会したという入江監督に、リサーチで感じたことや、『SR サイタマノラッパー』以前となる20代の頃のお話などを聞きました。

どんな人が人工知能の研究をしているのか

――近未来を舞台にして、AIが軸となるサスペンスをやろうと思われたのはどこから?

入江悠(以下、入江):『22年目の告白』がヒットしたので、同じプロデューサーと、「次は何をやりましょう」という話になったんです。

 もともと近未来ものが好きで、日本映画で描くのであれば、少し先の未来なら実現できるんじゃないかと。さらに僕はパニックものが好きなので、旬のAIとパニックものを絡められないかと進んでいきました。

――リサーチのために人工知能学会に入会されたとか。

入江:はい。脚本を書くための取材は大変でした。AI関連の本を買って読むだけでは一般の読者と同じです。映画のなかで大沢さんが演じているのは研究者ですから、どういう人がAIの研究をしているのか知りたかったんです。

その職業が人格に与える個性がある

入江悠

入江悠監督

――人工知能がどこまで進んでいるかということもそうですが、研究者に興味があった?

入江:そうです。お医者さんならお医者さん、警察官なら警察官で、その職業が与える個性ってありますよね。じゃあ、AI研究者はどういう人が多いんだろうと。

 どこにいったら一番触れられるかと考えて、人工知能学会だろうと思いました。そこに入ると会報が毎月送られてきますから、それを読みつつ、実際の先生方にお会いして話を伺っていきました。

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