ワークマン、急成長の秘密とは?数字に弱い社員は出世できない
東京オリンピックで「作業服」需要増加
今回取り上げるワークマンは、アパレルの中でも「作業服」に特化しているため、続いて、作業服市場の存在感についても簡単に触れます。作業服市場については、矢野経済研究所にて公開されている2018年版調査データを利用します。
<2018年度の国内ユニフォーム市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比101.7%の5,254億円であった。なかでもワーキングユニフォームは東京オリンピック・パラリンピック開催にともなう建設・インフラの整備により需要が好調であることから、全体市場を押し上げている>(2019/8/30)と記載されている通り、国内のユニフォーム市場はやや拡大傾向にあります。ワークマンは「ワーキングユニフォーム」に分類される商品を扱っているため、外的要因もプラスに働いていると考えられます。
続いて、ワークマンの直近の決算を確認します。言うまでもない結果ではありますが、2019年3月期全体および、2020年第2四半期の決算は売上高・営業利益・経常利益すべてが前年度同期越えです。
2019年3月期の営業総収入(売上高-売上原価の値)は前期比19.4%の669億円にのぼり、2020年第2四半期においては418億円(※後者は半年分の実績値であることに注意)となっていますので、この数年で大躍進を遂げていることがお分かりになるかと思います。
2)社長のキャラ:当時50歳で社長に抜擢
ワークマンの現在の社長は小濱英之氏です。昭和44年生まれで、平成2年にワークマンに入社していることから、「生え抜き社員の内部昇格」であると推察されます。
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平成2年3月 入社
平成15年5月 商事部長代理
平成21年5月 商事部長
平成22年1月 商品部第二部長兼セーフティグッズ担当
平成23年1月 商品部海外商品部長
平成26年6月 役員待遇商品部海外商品部長
平成27年1月 役員待遇商品部長
平成28年6月 執行役員商品部長
平成29年3月 執行役員スーパーバイズ部長
平成29年6月 取締役スーパーバイズ部長
平成31年4月 代表取締役社長(現任)
(※プレスリリースをもとに筆者要約)
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また、当時50歳で社長に抜擢されていることから、リリースにある異動理由の「経営トップの若返りを図り、さらなる企業価値向上を目指すものであります」の通りであると考えられます。この年齢で社長に抜擢されるのは珍しいので、思い切った判断です。