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「浅草から東京タワーまで」という依頼も…人力車を引く仕事のやりがいとは

学び

お客さんによって話す内容を変える

人力車

雨の日や日差しが強い日などは幌が活躍する

 浅草界隈だけではなく、過去には『東京タワーまで』と往復で約16kmの道のりを走ったこともあるというこっちゃんさん。最後に、人力車夫としての仕事の姿勢と自らの将来像を語ってくれました。

「僕らが1番大切にしているのはお客さんをいかにもてなすかなんです。乗車中には会話も楽しんでいただくのですが、例えば、浅草の名所として知られる神谷バーを通り過ぎたときには、ただ歴史を話すだけではなく、お酒が好きなお客さんに何がオススメか提案するなど、人によって話す内容を工夫したりもしていますね。

 僕らにとっては自分自身が商品。休日にはお客さんの気持ちを知るためにあえて別の観光地へ足を運んだりもしているんですよ。とはいえ、まだまだ浅草についても知らないことも多々あるので勉強を続けながら、いずれは『こっちゃんがすべて教えてくれたからもう人力車に乗らなくていい』といわれるほど、たくさんの人に街の歴史や魅力を伝えていければと思います」

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 側から見るだけでは、人を運ぶことそのものが本分であるかのように思える人力車夫の仕事。しかし、こっちゃんさんが「僕らはあくまでも接客業なんです」と語ってくれたのが、印象に残りました。外国人観光客も多く訪れる浅草で今日も、こっちゃんさんは誰かを笑顔にしながら人がひしめく街中をひた走っています。

<取材・文・撮影/カネコシュウヘイ>

フリーの取材記者。編集者、デザイナー。アイドルやエンタメ、サブカルが得意分野。現場主義。私立恵比寿中学、BABYMETAL、さくら学院、ハロプロ(アンジュルム、Juice=Juice、カンガル)が核。拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitterは@sorao17

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