UberEatsメニューはどう作られる?「専門飲食店」の知られざる苦労
「カレー1杯に4000円払う人」がいる世界
永田:そこから同じUberEatsエリアの人気店を注文して食べてみて、金額や満足度を2か月かけて調査しました。それで、まずカレーや、どんぶりメニューにすると決めたんです。
――カレーや丼ものをやろうと思った理由は何でしょうか?
永田:一番の理由は、オペレーションですね。カレーがUberEatsで人気というのも大きいですが、さらに調理時間が短いとユーザーに料理を届ける時間が早くなるので、アプリ上で上位表示されやすいんです。カレーや丼ものの仕込みはセントラルキッチンで行い、現場では1食5分以内で盛り付けまで完了し、配達員に渡すことを目標にしています。
柴田:UberEatsアプリのなかに、複数のお店を立ち上げられるので、注文されやすいジャンル、メニューで狙っていくのは戦略のひとつです。たとえばカレーはトッピングを注文する人や、あとは実店舗が営業時間外になる深夜帯に注文する人も、意外と多い。そうすると客単価3~4倍になって「カレー1杯に4000円」みたいな話になる。いままで見た感じ、ユーザーには30代の男女、やや富裕層が多い印象ですね。
ゴーストレストラン経営の目標は?
――これからどうしていきたいという目標はありますか?
永田:いま展開している7ブランドを、30~50ブランドまで増やしたいですね。管理栄養士、調理師などメニュー開発の専門家が加わって、日々、試食会もやっているので、ユーザーに喜ばれる人気メニューをもっと充実させたいです。
柴田:2020年にはキッチンも100店舗にしたいですね。いま、夜中しか営業していないバーの方から「昼間の時間を使って、ゴーストレストランをやりたい」というオファーが結構来てるんです。あとはプライベートで料理が好きな人が土日にお店借りて、うまくいったら独立できるみたいな流れができるといいですね。
<取材・文/シルバー井荻>