同じ環境で育ったのに、性格・外見が全く違う姉妹。なぜ不揃いに?
徐々に妹のことを避けるようになっていく…
家族でゲームをしても、妹さんは負けを認めずふてくされてしまいます。それくらいはまだ可愛いものですが、社会に出ても自分の非を認めない妹さんの行動に、香澄さんは呆れてしまいました。
「妹の常識外の行動が増えるたびに、本当に自分と血がつながっているのか疑いたくなりました。というより『血がつながっている、姉妹だと思われたくない』と感じて、自然と妹のことは避けるようになっていったんです」
妹さんと香澄さんが姉妹にしては似ていなさすぎることは、2人のお母さんも不思議に思っていたといいます。同じ育て方をしているのに、優等生で反抗期もなかった姉の香澄さんと、常に親に反発し社会に適合できない妹さん。
「よく『兄弟姉妹あるある』で、『お姉ちゃんなんだから我慢しなさい』って言われて育った長男・長女は多いと思います。私の友達にもそういう家庭が多いので。でも、私は言われたことがないんですよ。母が私のことも妹のことも平等に育ててくれた結果なんですけど、たぶん常識外れな妹を甘やかしたら、さらにダメになるってわかっていたからだと思います」
妹のお下がりの服を姉が着る
また、同じものを食べて育っているはずなのに、体格も全く違います。痩せ型で身長の高い香澄さんに対し、妹さんはぽっちゃりとした体型に育ちました。
「長男長女のお下がりをもらうのが嫌だったという話はよく聞きますが、うちは逆。妹が着られない服が私のところに回ってくるんです。『兄弟姉妹あるある』がうちじゃ全然通じないんです」
唯一血がつながっているといえる点は、趣味が同じ分野であることですが、香澄さんは妹さんと趣味を分かち合うことはしたくないそうです。成長すれば姉妹の仲は良くなるものだ、と周囲に言われることがあっても、とてもそうは思えないと言います。
「私は人のことを嫌いにならないってよく言われるし、自分でもそう思うんですけど、たぶん妹が一番嫌いだから。万が一、妹が変わればわかり合うことはあるかもしれませんけどね」
姉妹の溝が埋まる日はくるのでしょうか。妹さんにはそれなりの言い分があるのでしょうが――。
― 特集・兄弟姉妹のトホホな話 ―
<TEXT/Saki Yamamoto イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>