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社長逮捕で株価急落のプレサンス。不動産業界での評判は?

ビジネス

 東証1部上場の不動産企業、プレサンスコーポレーション(大阪市)の社長(当時)山岸忍容疑者が、学校法人「明浄学院」を巡る横領容疑で2019年12月16日に逮捕されました。

逮捕

※イメージです

 この報道を受けて翌日の株式市場で株価は大きく値を下げています。プレサンス社の不動産業界での評判はどのようなものなのでしょうか。業界事情に詳しい、「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」(全宅ツイ)に話を聞きました。

関西マンションデベロッパーの雄

「業界大手のトップ逮捕には驚きました。いま関西の不動産業者忘年会ではこの話題で持ちきりです」

 こう語るのは全宅ツイ関西支部の「リチャードホール」(@okirerebc)さんです。リチャードホールさんはプレサンス社について次のように解説します。

「2018年の事業者別マンション供給戸数で全国2位、近畿圏では9年連続1位、東海・中京圏では7年連続1位と不動の地位を保っているマンションデベロッパーです。ファミリー分譲マンションだけでなく、投資用マンションや特区民泊専用マンション事業も行うオールラウンダーで、非常に勢いのある企業という印象です」(リチャードホール、以下同)

 関西の不動産関係者で知らぬものはいない急成長企業で、マンション用地の仕入れも積極的だったとしています。

「われわれ仲介業者の立場としては、『高く土地を買ってくれる上得意様』という認識ですね」

カネの流れに違和感がある

プレサンスコーポレーション

※公式サイトより

 報道によると、山岸容疑者は「高校の土地取引を円滑に進めるため、個人的に18億円を貸した」と供述しており、貸したお金を返済してもらう分には問題ないように思えますが、リチャードホールさんの見解は?

「プレサンス社が土地を購入できた際、元法人理事長の大橋美枝子容疑者にある程度の見返りがないと、山岸元社長から多額の資金を借入れてまで理事長就任する必要はありません。報道されている以外にも援助があった可能性もあります。

 この件では大橋容疑者が学校法人の金を横領することを知ったうえで山岸容疑者が資金を貸し付けたことが問題といえるのではないでしょうか。18億円の返済も、別の不動産会社を経由させて、山岸容疑者の個人口座に送金されているなどカネの流れに違和感があります」

 横領された学校法人の資金が山岸容疑者に還流された点、大橋容疑者が横領することを見越して18億円を貸していた可能性がある点に問題があるとの見方をします。

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