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「ココイチ」の壱番屋が、世界一のカレーチェーンに成長できた理由

ビジネス

2)社長のキャラ:創業者や前社長に強い尊敬の念

 現在の社長は葛原守氏です。2018年(訂正:2019年3月1日付けの就任)に浜島俊哉氏の後任として現職になりました。主な経歴は下記の通りです。

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辻学園日本調理師学校(現辻学園調理・製菓専門学校)卒
1987年 広島シティホテル入社
1992年 壱番屋入社
2018年3月 副社長就任
2018年10月(訂正:2019年3月) 現職
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 特徴的なのが、調理師としてのバックグラウンドを持っていることです。

 壱番屋に入社したときも店舗から入っているようですので、かなりの叩き上げであることが推察されます。また、「NIKKEI STYLE」に、会長や前社長とも非常に良好な関係を築いていることが伺える発言があったのでご紹介します。

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――創業者の宗次徳二氏や前社長の浜島氏から、リーダーの在り方として何を学びましたか。

「当社の基本的な考え方、『ニコニコ、キビキビ、ハキハキあいさつしよう』とか、『本部は店舗のため、店舗はお客様のため』ということを厳しく教育されました。『販促してはダメだ』とか、『今日、来てくれたお客様に精いっぱいサービスしなさい』とか、口酸っぱく教えられて、自分の軸になっています。その軸に基づいて、さまざまな経営判断をしています」

「壱番屋は宗次さんが会社を興して、浜島前社長が形にしました。私に託されたのは、変化する時代の少し先を見ながら会社を変えていくことだと考えています。私は18年3月、副社長になりましたが、そのときに『次の社長は私がやるのかな』と感じました」

※<社員をワクワクさせるのが仕事 「失敗しても見守る」壱番屋社長 葛原守氏(下)>より引用
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 この2つの発言だけでも、創業者や前社長への強い尊敬の念が読み取れます。

創業者の宗次德二氏の創業~引退

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 また、創業者の宗次德二氏の創業~引退までのエピソードが非常に心温まるものでした。「現代ビジネス」「日刊SPA!」などのインタビューより、こちらも合わせて紹介します。

 そもそも、「CoCo壱番屋」のカレーは、宗次氏が夫婦で開店した喫茶店で評判だった「宗次氏の奥様(=宗次直美さん)のカレー」が原型です。ここからカレーハウスへの転身での成功を確信し、本格的にカレー店へ転身しました。

 夫婦仲は非常に良好で、お互いの長所を良い形で活かせる関係性だったことも幸いして、転身後のカレーハウスも非常に繁盛しました。それ以降の姿はみなさんも知るところでしょう。

 ただし、この先がこのご夫婦の凄まじいところです。ココイチが拡大の途上であった2002年に、徳二氏が会長職を辞し、それまで代表取締役社長だった直美さんも代表権のない会長に退いたのです。ご夫婦が経営を退いた理由は「後継者が十分に育ったから」なのですが、これを堂々と言える創業者は日本にどれくらいいるでしょうか。

 そして驚くことに、ご夫婦は2015年12月にハウス食品へ残りの持ち株をすべて売却しました。現在のご夫婦はココイチおよび壱番屋とは資本関係が完全になくなっています(1/7追記:資本関係が完全にはなくなっていませんでした)。

 ココイチにおける創業者と現社長の関係性は、

・潔く退いたあとも、後任から限りない尊敬を受ける創業者
・正当な方法で事業を拡大し、成果をあげている後継者

 という、会社経営だけでなく、人間関係としても理想に近い関係であると言えます。

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